12 March 2018

Starcrawler(スタークローラー)|Arrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)インタビュー



【元ネタ英語記事】L.A. ROCKERS STARCRAWLER WANT TO PROVE THAT KIDS CAN STILL KICK ASS (Interview Magazine 2018年1月19日)


以下、当サイトによる翻訳(前文は省略)


どうやってスタークローラーが結成されたか話してくれるかな?


Arrow de Wilde(アロウ・デ・ワルド、以下ADW):まず自分とオースティン(Austin Smith・ドラマー)が共通の友人を介して知り合ったんです。オースティンがドラムを叩くのは知ってて、自分はバンドやりたいって考えてて…。楽器を演っていて自分と音楽の趣味がカブるのはオースティンしかいなかったんです。それでジャムをするようになりました。自分とヘンリ(Henri Cash・ギタリスト)は学校が同じだったんですが、ヘンリのことは知らなくて、ちょうど夏になる前、ある日学校でヘンリにアプローチしてみたんです。チューバを抱えてたから、チューバなんか持ってんならギター弾ける気しないなとは思いつつ(笑)。「キミ、かっこいいじゃん。ギター弾く?」って訊いたらビビられたんですが、弾けるって言われたので電話番号を交換しました。3人で曲作りを始めて何人か違うベーシストとも演ってたんですが、そのうち旧友のティム(Tim Franco)がベースを弾くことを思い出して…。それからバンドがうまく行くようになったって感じですね。


エルトンジョンが君たちのバンドや「Ants」を発掘するに至ったのはどういう経緯で?


ADW:彼の周りの誰かがスタークローラーのバンドアカウントにメールしてきたんです。「オー、イェー、来週エルトンがラジオ番組で『Ants』をかけるよ」ってだけ書いてあって。思ってもみなかったクレイジーな出来事で本当に嬉しかったです。


ライアンアダムスが今度出るLPをプロデュースしたんですよね。彼とはどうやってつながったの?


ADW:インスタグラムで自分たちを見て興味を持ってくれたらしいです。ライアンと自分の母親は長年の知り合いで、特に90年代に親交がありました。最近は疎遠になってましたが、インスタグラムに母が上げたのを見てライブに来てくれて、スタークローラーのレコーディングにとても興味を持ってくれました。ウチの母親がバンドのために動いたんだろって思ってる人も多いんですが、ライアンのことは自分たちの眼中になかったし、それは違うんです。彼にプロデュースしてもらおうとか、「彼に聞いてみてくれない?」って母親に頼むなんて考えたこともなかったです。でもライアン側からバンドにアプローチがあった時、マジでクールで驚くべきアイディアだって感じたんですよね。仮にもし母親に頼んでいたとしても、多分ウチの母親、「ライアンは興味ないと思うよ~」とか言ってたと思いますけど(笑)。


君にアーティスティックな著名人の両親がいるせいで、今の地位は君自身が築いたものじゃないって思ってる人も多いんじゃないかなと思うんだけど。たとえ音楽を聴いてみればそうじゃないって分かるとしても…。この過程をスタートさせる時、キャリアパスについて考える上で役立った両親の教えみたいなのって何かある?


ADW:ありますよ、特に父親から。音楽業界界隈で大きくなったから、業界がどう回っているのかはもう分かるようになってました。最初にこのバンドを始めた時も、父から多くのアドバイスをもらいましたね。母親からもですけど、父は自分がどう進むべきかについて大きな手助けとなってくれました。







このLPの中の曲は全曲スタジオ入りする前に書いたの?


ADW:全部前もって作ってたんですが、完璧に出来上がってないのが2、3曲あったので、ライアンにもっと曲らしくなるようヘルプを依頼しました。作ってみたものの完成した感がないままの曲に「I Love LA」があったんですが、いろいろ変化を加えてくれてライアンの手助けは大きかったですね。


未完成曲を詰めるのをヘルプした以外で、プロデューサーとしてのライアンがレコードに施した具体的なことって何がありますか?


ADW:スタジオ入りする前、「I Love LA」はひどい状態だったんですが、ライアンが今の形にしてくれました。あとバラードで「Tears」っていう曲があるんですが、作ったはいいけどどうしたらいいのか、どんなサウンドにすべきか全然分からなくて…。ライアンは曲を解体してギター、ヴォーカル、ちょいシンセサイザーって感じに仕上げてくれましたね。


ロサンゼルスで育ったのは君の音楽スタイルにどう影響してる?


ADW:あそこで育ったのはとっても良かったです。シーンもいろいろたくさんチェックできたし、ライブに行きまくって大人になりました。週末とか、パーティーの代わりによくライブに行ってましたし。音楽みたいなことをやりたければロス出身ってことは大きいと思います。


スタークローラーはLAのバンドだって思ってる?


ADW:カテゴリーに当てはめるのはあんまり好きじゃないです。そこから抜け出せないって感じたりするから。だけどそうだとは思います。自分たちの出身地だし、ロスについての曲だってあるし(笑)。


スタークローラーはよく死にゆくロックンロールの再改革とか再活性とか言われてるけど、それは狙ってたことなの?


ADW:ロックはメンバー全員を団結させたし、自分たちが演りたいことでもあるんです。少なくとも自分は過去に戻ってロックを昔みたいにポピュラーにしたいと思ってます。だけど同時に、ただ楽しんでるだけだっていうのもあります。自分たちはただ音楽をプレイしてるだけなんです。






これまで聴いてきた好きなバンドの中で、今回のニューLPを作るにあたりインスパイアされたバンドって誰になるの?

ADW:間違いなくオジー(Ozzy Osbourne)。オジーとサバス(Black Sabath)。生まれて初めて好きになった最初のバンドはビートルズ。でも自分に音楽をやりたいって思わせたのはオジーですね。

フレッシュで新しいサウンドを追求しつつも、つい好きな音楽のオマージュにしようとしちゃってた…みたいなことってありましたか?

ADW:スローバック(過去の振り返り)バンドだみたいによく言われるんですが、スタークローラーは完全にオリジナルなことをやってるって今でも自分は思ってます。私がある種の衣装を着てるとかそういうことじゃないんですよね。いや、確かに自分はステージ衣装を着てるけど、自分のアイドルそっくりになろうとしてるわけじゃないし、インスピレーションを得て、それから自分自身のものに取り入れてるって感じですね。

スローバックだと言われたり、君の成功について両親のおかげだって思われることに困惑することはあった?

ADW:それについてはそんな大したことじゃないです。どう言われてるかにもよるけど…。いつだって人は何かをたくさんのカテゴリーに当てはめなきゃ気が済まないみたいだから、困惑することはあるかもしれないけど。

LAで育ってこれまで行ったライブの中で、音楽やパフォーマンスに人生を捧げたいと君に意識させたライブは何かある?

ADW:このバンドを始める前、友達のバンドが出るライブによく行っていました。ロックミュージックに近いものってそれだけで、自分はそういうライブが大好きでした。自分に音楽とは何かを教えてくれたのはLA界隈の普通と違うグラムにインスパイアされたバンドの数々でしたね。





スタークローラーのライブはその激しさとエネルギーで知られるようになって、君はステージで観客を挑発するのが好きだよね。そういう観客との絡みが裏目に出ちゃったことはあるの?


ADW:怒る人はよくいますね。そういうのなら簡単に思い出せますよ。皆んなとても心配してくれるんだけど、自分にとってはそれは可笑しなことなんです。自分がうっとうしい奴だからそういう人たちが暴力的になっただけの話。観客に向かって唾を吐いたり触ったりするの、好きなんですよ。そしたらそういうことをされた人たちが立ち上がって、ある女性なんてナイフを取り出して、自分を待ち伏せするために外に出てましたもん。自分と喧嘩か何かしたかったんでしょうね。ステージが終わったらセキュリティーのところに飛んで行って、自分が半殺しにならないようお願いしときましたけど。自分にとっては可笑しなことでも、あの女性にとってはイヤだったんでしょうね(笑)。


あのライブのエネルギーをレコーディングスタジオ用に変換するのは難しかったですか?


ADW:全然。だってほぼ一発録りだから。重ね録りもしたけど、トラックは全部ライブ録りしました。練習でやってるのと同じですね。簡単だし、ステージで演る感覚と同じに感じました。


スタークローラーが最初にライブをやり始めた頃、君はまだ高校生だったよね。全く異なる2つの生活のバランスを取るのってどんなだったの?


ADW:大変でした。公立の学校に通ってたし、欠席にはとてもウルサイ最終学年だったから。7日とかしか休めないのに、自分は30日も休んじゃってました。結局大丈夫だったんですが、あの頃午前2時に寝て6時に起きて学校に行かなきゃならなかったから最悪でした。容赦なかったし、もうアレをやらなくていいと思うと嬉しくて仕方ないです。


君の音楽的ヒーローがすごい有名人だってことを考えると、君にもスターダムに昇りつめたいって野望はあるのかな?


ADW:300万枚!それが目標(笑)自分は曲作りが好きだけど、公言してようがいなかろうが、誰だって一定レベルの成功を望んでると思います。うん、自分の夢はツアーバスとか、いろんな派手で悪趣味なヤツを全部手に入れること。だけど例えそうならなかったとしても音楽はやり続けるだろうし、ただ単に楽しいままなんだろうなって思います。



Starcrawler(スタークローラー)。メンバーは左からHenri Cash(ギター)、
Arrow de Wilde(ヴォーカル)、Tim Franco(ベース)、Austin Smith(ドラムス)