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1 August 2017

The Strypes (ザ・ストライプス) | Ross & Evan (ロス&エヴァン)インタビュー



【元ネタ英語記事】 The Strypes Interview (2017年7月18日)The Seventh Hex

以下、当サイトによる翻訳



爆発的な勢いを誇るアイルランドのバンドThe Strypes(ザ・ストライプス)がサード・アルバムと共に帰ってきた。ウェールズにある伝説のスタジオ「ロックフィールド・スタジオ」で、プロデューサー Ethan Johns(イーサン・ジョーンズ)(Kings of Leon、Laura Marling、Ryan Adams等とも共作)とレコーディングした作品である。アルバムのトラックは全て、当スタジオでリハーサルし、メンバー4人全員で生演奏/生歌で一発録りしたものであるが、ほとんどのトラックは全員が満足のいくトラックを録るのに、ほんの数テイクしかかからなかった。その瞬間的な生音や彼ら独自の直感的エネルギーは、「Spitting Image」を特徴づけているだけでなく、レトロな曲のマニアだった時代に別れを告げ、新しいニューウェーブ・ポップ・サウンドを祝福するかのようなバンドの方向性をも象徴している。本作は時代を遡っているかもしれないが、それは音楽への愛情がそうさせたのであり、決してクールな存在になりたいという欲望によるものではない。我々はバンドメンバーのEvan Walsh(エヴァン・ウォルシュ)、Ross Farrelly(ロス・ファレリー)に、個人的経験から生まれるバンドの原動力や、Conan O'Brien(コナン・オブライエン)[訳者注:アメリカ合衆国のテレビ司会者] について聞いた。


これまでバンドがとても自然に進化し続けていて、順応性があることについて満足していますか?

Evan: うん、嬉しいことだね。メンバー間の音楽的パートナーシップって、意識的なものじゃなくてシームレスなものなんだ。たぶんお互い長い付き合いだっていうのがあると思う。仲間とのつながりで仕事する以外、他の働き方を知らないからね。僕らの間に生まれる原動力はいつも安定してるけど、自分達の音楽スタイルに変化が見えるのって本当にクールなことだと思う。このアルバムでは、Elvis Costello(エルビス・コステロ)みたいなパンクやニューウェーブ的なサウンドに寄せてみたんだ。今自分達が興味があるものって、必ず音楽に現れてしまうものだし、僕らのサウンドを決定づける鍵でもあるよね。

最新作「Spitting Image」ではプロデューサーにEthan Johns(イーサン・ジョーンズ)を迎えています。Ethanがアルバムの総指揮をとったことで、どんな良い面がありましたか?

Evan: Ethanは素晴らしかったよ。彼がいると何もかもが自然に進むんだ。それに曲作りについて僕らには、このアルバムではこうしたいっていうクリアなヴィジョンがあった。去年、このアルバムの曲作りにほとんどの時間を費やしたから、Ethanとスタジオ入りした時は本当に楽しかった。やりたいことを自由にやらせてくれたし、作りたいアルバムを作るのをアシストしてくれた。彼とは波長が合ったから、心が通じ合ったって感じだったね。

Ross: うん、僕らはたくさん曲を用意してたんだけど、Ethanがそれを仕上げるのを手伝ってくれた。僕らの中から最高のものを引き出すのがとても巧いんだ。

歌詞で言おうとしていることについては、要約するとどんな傾向がありますか?

Evan: 正直、僕らが現代のことについて歌うことってなくて、もっと個人的な経験から歌詞のヒントを得てるんだ。大体は自分達の生い立ちや環境から来るもので、特に一緒に育った人間とか、これまで日常的に関わり合いのあった人達とかからだね。

Ross: そう、僕らの人生観って70年代で止まっちゃってるから。

Evan: ハハ!そうだね。僕らはアイルランドの田舎に住んでるから、ロンドンやニューヨークに住んでたとしたらこういう物の見方をしただろう…っていうのとはちょっと視点がズレてるよね。本当にシンプルで素朴な経験をして育ったから、そういうのがこの最新アルバムにもよく出てると思う。

実家に留まってその恩恵に感謝するのが大切と…。

Evan: 確かに。僕らは強い人間性を持ってるってことを重視しがちだから、メンバーの中でも他人に対しても、バカげた行動にハマったりはしないんだ。僕らって「それはくだらない」ってすぐ思っちゃう方だから。今、バンドを取り巻くくだらないことってたくさんあるし、音楽業界の人達の中だってそう。大体、僕らは全員ずっと家にいるタイプの人間だしね。僕らってホントにそういう人間なんだから仕方ないさ。

「Grin and Bear It」[訳者注:「笑って耐えろ」の意] という曲はどうして生まれたんですか?

Evan: あの曲は、昔に遡ったちょっと複雑な曲なんだ。僕とPete(ピート)の共作なんだけど、デモ音源に落としたコード進行があったから、大体、曲のアイディアっていうのはあった。歌そのものは僕らの母親世代の女性についてで、僕らの両親って70年代や80年代の世代で、特にアイルランドだと、ある特定のクラスの人達は人生でたくさんの困難について我慢を強いられてた。その時代、結婚だとか出産だとかは人生の早い時期に経験してしまうものだったから、自分が一体何をしたいのか、自分が誰なのかさえ分からないまま…みたいな女性もいた。そういうことに気付く前に、人生の多くのことが過ぎ去ってしまっていたんだ。でもそんな母親達には、人間を育て上げて人格形成させる責任があった。だからこの曲は、そういう大変さとか、家族のモラルや揺るぎない価値観の為に母親が払った犠牲に対するトリビュートなんだ。

あと「Turn My Back」のような曲の中心にあるのは何なのでしょう?

Evan: あれは僕が作曲して、家でデモも録った。あの曲についてはっきりしてたのは、シャウトするようなコーラスにしたかったってこと。アイディアとしては、騒々しくてガタガタしててパンクなロックンロールを作ること。スピードが速くて動きまくってるってことが肝だった。



アメリカ横断ツアーをしながら車で移動するのってどんな感じでしたか?

Evan: 素晴らしかったよ。あのドライブは僕らが経験した中で一番ハッピーな時間のひとつだった。アメリカの道路や景色を見てるのはとても面白かった。

Ross: それに僕らがアメリカで成功したってことも信じられなかった。だってアメリカに行ったことさえなかったんだから。名も知られてないバンドがアメリカで観客とあんなに良い経験をしたってことが素晴らしかったよ。ニューヨークやロサンゼルスではクールなギグも出来た。

Evan: Letterman(レターマン)[訳者注:Late Show with David Letterman。アメリカCBSで放送されていたトーク・バラエティ番組] とConan(コナン)[訳者注:Conan O'BrienによるケーブルテレビTBS放送のトーク番組「Conan」] でもプレイした。変な感じだったけど、同時に素晴らしい経験でもあったね。

Conanにも会ったんですよね…。

Evan: うん、会えて嬉しかった。とてもいい人だしね。Conanはザ・シンプソンズの脚本を書いてて僕らは大ファンだったから、彼に会えてとても興奮した。

過密なツアーの間はどうやって集中力を保っていますか?

Evan: ツアーに出てる時って毎日がとても短いんだ。ツアーって酷くストレスフルなものにもなり得るけど、僕らは笑いを忘れないようにしてる。自由時間は少ないし、ライブ会場での待ち時間も多いけど、僕らはちょっとでも時間があったら、トランプするか映画を観るかしてる。他に重要なのは、お互いに干渉しないこと。こんな風に頭突きしたりしないようにね!

バンドっぽい見た目でヴィジュアルが良いこともThe Strypesにとって大切でしょうか?

Evan: うん、バンドマンにとって一番大切なことのひとつだね。僕にとっては、ほぼ音楽と同じくらい大切。楽曲に内容が伴ってるってことももちろん大切だけど、ビジュアル的に自分を説得力のあるものに見せるべきだと思う。どんなタイプの芸術であれクリエィティブであれ、完璧なプロジェクトにしたいよね。僕らだってあらゆる面で基準を満たすバンドでありたい。最近だと、全部の面でイケてるってことはバンドに期待されてないのかもしれないけど、何か大切なものであることは間違いないと思う。The Who(ザ・フー)、The Jam(ザ・ジャム)やDavid Bowie(デヴィット・ボウイ)を見れば分かるけど、彼らみたいなアーティストにはしっかりしたイメージがある。特徴のあるヴィジュアルが、バンドのアイデンティティーにとって重要なのは間違いないよね。

数年前、若いファンが呪いの人形をくれたそうですが、未だにそれはこれまでもらったプレゼントの中で一番変わったプレゼントですか?

Evan: うん、未だにあれは僕らがもらった物全部のうちで一番変わったプレゼントだね。あれもらったの、バーミンガムだったと思う。僕の人形は長いことジーンズの後ろのポケットに入ってる。どうりでずっと首が痛むはずさ。


 The Strypes - Great Expectation



最近「Rock Against Homelessness」でも演奏されましたよね。自分達がスポットライトを当てたいと考えている問題について世間の認知度を高めるのは、君達にとって重要なことですか?

Evan: もちろん。アイルランドで「Rock Against Homelessness」がスピーディーに成長していってるのは本当に嬉しいよ。自分達に出来ることをして世間の認知度を高めるのって、どんな立場にいても大切なことだと思うよ。僕らがとても大切に思ってるチャリティーには「Teenage Cancer」もあるけど、僕らは注目を集める必要があるものを世間に広めたいと思ってるだけさ。

充電したりリラックスすることには時間をかけていますか?

Evan: 変なんだけど、僕って1分でも時間があったら必ず音楽に関することに使っちゃうんだ。映画を観るにしても何か音楽に関わる作品だし、読書するにしても多分誰かの伝記なんだよな~!

Ross: 正直、僕も同じ。でも僕は写真を撮るのが好きだから、大体自然の中に出掛けることが多い。

これからバンドが好調に成長していくには何が一番大切でしょう?

Evan: バンドが結構スムーズに前進してるのは好ましいことだと思ってる。アルバム3枚共それぞれ全然違うけど、1枚1枚違った目標があったわけだし、それぞれに違った深みがある。要するに、僕らがミュージシャンとして成長して、個人として成熟して、リリースするレコードを高いクオリティーを保ったものにしたいって願うだけさ。


1 July 2017

ストライプス(The Strypes)インタビュー|The Sunday Times(2017年6月4日)



【元ネタ英語記事】 Lean, mean writing machine (2017年6月4日)The Sunday Times

以下、当サイトによる翻訳


 
The Strypes(ザ・ストライプス)は目新しい存在のティーンエイジャーからタイトなポップパンクを演奏する大人へと進化を遂げた。が、キャバン発のこのバンドにとって、その変遷は決して容易なものではなかった。The StrypesがTony Clayton-Leaに語った。

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「動物や子供と一緒に出演するな」とは、昔からショービジネスの世界で言われてきたことである。よく知られた格言ではあるが、両者は予測不能な生き物であり、わんぱくな振る舞いをしがちで、眠って欲しい時に決して眠ることはない。

そんな言葉もキャバン出身のバンドThe Strypesが2010年に現れた頃には真実味があった。その年のLate Late Toy Showで、とっくに思春期を過ぎたような大人のリズム・アンド・ブルースをプレイした時、メンバーは4人共まだ13才か14才。同年代のバンドなら皆そう見えるだろう年相応のルックスをしていた。目新しくもあり、操り人形のようでもあり、また両親のレコードコレクションの影響の集大成のようにも見えた。まだ幼かったので仕方ないのだが、大人たちの困惑した気持ちは理解できていなかったようだ。

では今はどうなのか?21才のギタリストJosh McCloreyは、その物腰から「ロックスター」の風格がにじみ出ており、腕にはタトゥーが点在している。右腕には「未来は暗い」と刻まれ、左腕にはキャバンの紋章が見える。一方、20才のドラマーEvan Walshは、まるでMalcolm McLarenが1976年にあつらえたようなスマートなスタイルだ。つまり学校の授業は終わっているのだ。それも永遠に。

教科書を捨て去ることになる日は、早い段階でやってきた。2012年4月、デビューEP「Young, Gifted & Blue」によってElton JohnがオーナーであるRocket Musicとのマネージメント契約を取り付けた。その後、レコードレーベルの争奪戦が勃発。同年末、The StrypesはUniversal Music Groupの一員であるMercury Recordsと契約する。それ以来、大学進学のような古風な考えに迷っている暇はなくなった。急速に変化していく音楽業界の中で、バンドメンバーが成長するスピードは、恐らくあまりに早過ぎたのである。

The Strypesにとってティーンエイジャーから大人への変遷は容易なものではなかった


「この4年間、音楽業界にどう対処すべきか学習したんだ」。そう語るMcCloreyは、謙遜してみせたり、スマートなユーモアのセンスをみせたりと、今やベテランのミュージシャンの趣だ。「ダブリンで小規模なライブをやり始めた頃、僕らは全員ヴァンの後部座席にいて、特に頭を使うこともなくて楽チンだった。ただ曲を演奏してればいいだけの話だったから。でも段々と業界にどう対処していくか学ばないといけなくなった。家から遠く離れなきゃならないとか、そういうこと全般についてだね」。

10代のバンドであるにもかかわらず、反X-Factor的なポップスや、ブルーズ、リズム・アンド・ブルース、激しめのソウル、プロトパンクのような古めかしい音楽スタイルを選んでいだことも厄介だった。1960年代初頭~半ばにかけてThe Yardbirds、The Pretty Things、The Who等によってプレイされたような音楽のことである。低年齢であるという理由から、親たちが音楽を学習させ、演奏できるよう過保護に育てたのではと見られがちというのもあった。Evanの父でありThe Strypesのツアーマネージャーを務めるNiall Walshは、1980年代、キャバンのポップパンクバンドThe Fireflysのメンバーだった。ちなみに、このバンドのローディーはMcCloreyの父である。

「僕らが音楽にのめり込むよう仕向けられたって思われてるけど、それは違うんだ」。Evan Walshはソフトな口調で話す。Walshの下襟はパンク音楽のバッジで飾られている。その口調は弁明しているというよりは本当のことに聞こえた。「僕らは両親のレコードコレクションから気に入ったものだけ選んで聴いてたけど、それの何がいけないのかな?このバンドのこのレコード持ってないのかって質問しまくって両親を困らせてたのは僕らの方なんだ。子供ってだいたい親の好きな音楽に反抗するものだけど、僕らはラッキーだったよね。実際、僕の場合だと、家族皆んなでそれぞれ好みの音楽について話したりしてるからね」。

The Strypesがプレイする音楽のジャンルが、バンドのスタート当時から混乱の原因だと見られていたことについて、Walshは否定しなかった。「幼い4人が演るような音楽じゃなかったよね。でも僕らはあそこから成長していったんだ」とWalshは言う。McCloreyによれば、初期のThe Strypesに起こった現象は、ほとんどのバンドに起こり得ることを反映しているいう。「最初は皆んな、昔、自分たちが聴いてたミュージシャンのサウンドに似てしまうものだけど、どのバンドも次第に成長していく。典型的な例がThe Who。1960年代初めにノイジーなブルーズバンドとしてスタートしたんだけど、その後どう成長していったか見てみてほしい」。



サードアルバム「Spitting Image」[訳者注:生き写し・そっくり・完全な類似の意] ― 確実に評論家たちが喰いつくであろうタイトルである ― リリースを間近に控え、バンドはより広範囲にそのスタイルを発展させていた。4年前の小生意気なバンドは、無駄はないが熱量は失わない有望なバンドへとその姿を進化させていた。その“テンプレート”は、スーツとブーツ着用のリズム・アンド・ブルース・スタイルからコマーシャルでタイトなポップパンクへと変貌している。Elvis Costello、The Attractions、The Jam、Nick Lowe、Buzzcocksといった、よりスマートで洗練されたパンクの影響が溢れ出している。しかしながら、かつて明らかに借り物に見えていたものが、今や自然な進歩のひとつとして認められるようになっていた。初めて全ての楽曲を自分たちで作詞したおかげで、The Strypes自身のものになったように感じられるのだ。The Strypesは未だ進むべき道を模索中ではあるものの、その地盤は固まりつつあるようだ。「それが16才と21才の違いさ」、Walshは断言する。「客観的に言えば、僕は古い曲の方が好きだけど、人生の大事な時期に当然人は成長していくものだからね」。

だが、ティーンエイジャーから大人への変遷は容易なものではなかった。衆人環視の中で ― それはダブリン、ロンドン、東京あるいはキャバンだったりするのであるが ― 成長するのは容易ではないことをWalshとMcCloreyは共に認める。「あんなにたくさんの人にああだこうだ言われたら絶対影響されるよね。だけどそういうのを経験して、気にしないようにすることを学習するものなんだ。今じゃ自分が耐えられることと耐えられないことが分かるようになった。…って言っても、自分は今でも同じ人間だからね。16才の時の自分がどんなだったか考えるのは難しい。Facebookの思い出や自分の写真を見て、何やってたんだぁ~?ってなる。で、今から5、6年後、21才の時の自分を振り返ってまた同じことを言うと思うんだ。16才の頃の自分は、あらゆることについて確信を持ってた。自分がどういう奴なのかは今も良く分かってる。前よりいろんなことに対して知識があるし、人の言うことも前より絶対聞くようになった」。

Walshの評価も同じである。「これまでに起きたことって、僕の人生の中では出来るだけさっさと終わらせてしまいたい時期だったんだ。で、結局そういう風になったんだけど。何でもいいから人生に別のオプションがあれば良かったっていうような願望もあまりなかったから、僕らはどっちの世界のいいところも経験したってことだよね」。他のバンドメンバーや友人達と同じで、Walshもまた、あれこれ言われたり「ライブ演奏以外で注目の的となること」に乗り気ではなかった。「僕にはそういうのってしっくりこなかったんだ。もう気にしなくなったけどね」。

音楽業界からの要求や気まぐれはあれど、The Strypesの少年から大人へのストーリーには良い面もあったとMcCloreyは言う。「テストのプレッシャーもなかったし、大学へ行ってキャバン以外に住まなきゃならないってプレッシャーもなかった。それに今も子供の頃と同じ友達がいる」。キャバンを拠点としてツアーに出掛けることはできるが、その逆は不可能であることは、このギタリストの腕に刻まれたキャバンの紋章のタトゥーを見れば明らかである。「ニューアルバムの曲は全部、家で書いたんだ。ロンドンに住んでないって言うと皆んな驚くけどね。僕らはキャバンに住んでるんだ。 ― そうしない手はないよね?」

Spitting Imageは6月16日、Virgin/EMIからリリースされる。