7 November 2018

Trampolene(トランポリン)|Wayne Thomas(ウェイン・トーマス)NMEインタビュー


2018年11月、ギター&ヴォーカルのJack Jones(ジャック・ジョーンズ)は急遽来日を果たしたものの(11月5日Fred Perry東京でアコースティック・ソロライブを敢行)、来日しそうでしないバンドとして日本でのライブが切望されるUKウェールズの3人組Trampolene(トランポリン)。中でもその場末感(いい意味で!)でロックな生き様を体現するベーシストWayne Thomas(ウェイン・トーマス)は目が離せない存在である。副業でバーに勤務するウェインが「働きながらバンドをすること」について語ったNMEの記事を翻訳してみた。

【元ネタ英語記事】Don't give up the day job - the pop stars with 'proper' careers on the side(NME 2018年9月19日)

以下、当サイトによる翻訳(該当箇所のみ)


Text by John Earls

ストリーミングサービスがミュージシャンの稼ぎを激減させてからというもの、ポップスターはいかにして生活に十分な金を稼げばいいのか?NMEは3人のミュージシャンとそれぞれの(非常に異なる)副業について話しをした。

インディーズのバーテンダー
Wayne Thomas(ウェイン・トーマス)、 Trampolene(トランポリン)

5年前スウォンジーからノースロンドンに引越してから、Trampolene(トランポリン)のベーシスト・Wayne Thomas(ウェイン・トーマス)は自身の参加する3人組バンドがLiam Gallagher(リアム・ギャラガー)、The Libertines(ザ・リバティーンズ)、Kasabian(カサビアン)のアリーナツアーをサポートするのを見てきた。だがウェインは、それを地元のパブのバーカウンターで働きながらやらなければならなかった。そのような輝かしいサポート枠やフルデビューアルバム「Swansea To Hornsey」、多数のEPを収録した最近の28曲入りコンピレーションアルバム「You've Got To Pick A Pocket Or Two」にもかかわらず、Trampolene(トランポリン)はどことも契約しないままである。「長い間やってきて、バンドを走らせていくのが苦行でしかないこともあったよ。(副業するのは)ちょっと自分を擦り減らすようなものだからね」とウェインは認める。「金欠が足かせになるのはイラっとするよね。だけどA地点からB地点に行くのにレコードレーベルなんて必要ないってことを僕らは証明してきた」。

Trampolene(トランポリン)が止まったり進んだりを繰り返しながら上昇している中、ウェインはずっと同じバーで働いている。客には有名ミュージシャンも数名いるらしく、ウェインは名前を挙げるのを渋ったが、結局バンドが共にツアーしたLiam Gallagher(リアム・ギャラガー)がその中にいることを認めた。「生まれた時からテレビで見てるような人がそれでもまだごく普通の人間だってことが分かるし、そういう人達が礼儀正しく話し掛けてきて一緒に楽しく喋ったりできるっていうね」、ウェインは語る。「リアムみたいないい人達の周りにいられるのは、バンドでの自分自身の成長にとっては良いことだよね。人とどう接するべきかについてちゃんとしていられるからね」。


TRAMPOLENE - Friday I'm In Love


バーでバイトするというライフスタイルは、ウェインが言うようにオフの時間が必要なミュージシャンにとって完全に相性の良い職業である。「一番簡単に始められて抜けるのも簡単な仕事だよね。僕が働いてるバーのオーナーは、ゼロからあのパブを始めたから、Trampolene(トランポリン)に同じ精神があるのを分かってくれる。僕らが這い上がっていくのを見てるし、ずっと支えてくれる後援者だね」。

どことも契約がないというフラストレーションにもかかわらず、ウェインは代わりの昼間の仕事に集中したいとは思わないと断言する。彼もシンガーのJack Jones(ジャック・ジョーンズ)も前途有望な学校のサッカープレイヤーだった。ジャックはSwansea City(スウォンジーシティ)でプレイし、ウェインはWales Under-16やCardiff City(カーディフシティ)のライトバックだった。二人は出会った途端、その情熱を音楽に切り替え、ウェインは学校に行くのを止め、その代わり初期のデモ作りに取り掛かった。資格も何もないが、Trampolene(トランポリン)だけでなく、彼はアーティストでもあり「Artwork Of Youth」というアパレルの販売も行っている。「バンドにいるとクリーンな服って持たないものだよね。だから自分でデザインしたものを着るようにしてるんだ」。一方ジャックはPete Doherty(ピート・ドハーティ)のソロバンドでもプレイする詩人であり、またドラマーのRob Steele(ロブ・スティール)はまだスウォンジー在住で、フロテーションタンクセンター(訳者注:カプセルに入り水に浮かんでリラックスするための施設)を経営している。ジャックはそこの感覚遮断タンクを曲のインスピレーションを得るのによく利用していたという。

バーの仕事の方がライブするより儲かる場合もあるようだ。11月にヘッドラインナーツアーに出るウェインは言う。「ロンドンからダンディー(訳者注:Dundee。スコットランドの都市)まで運転して赤字でしょうもない奴らのためにライブしてまた帰ってくる価値なんてない。そういうのもやってきたけど、ああいう良くないライブってのは未だにあり得るからね。良いプロモーターは誰かってこともそういうイヤな経験から分かるようになるものさ」。


◆あわせて読みたい当サイトのTrampolene(トランポリン)記事




5 November 2018

Trampolene(トランポリン)|Jack Jones(ジャック・ジョーンズ)インタビュー

Photo by Lee Thomas

UKウェールズの3ピースバンド、Trampolene(トランポリン)のJack Jones(ジャック・ジョーンズ)が11月5日午後7時~Fred Perry東京で緊急ソロライブ!!あまりにも急過ぎるお忍び来日案件がSNSで話題になったのはこの記事とジャック自身のハッシュタグ”JackInJapan”がきっかけだった。…というわけで、本Independent紙の記事を取り急ぎ翻訳!


【元ネタ英語記事】Now Hear This: New music from Robyn, Steve Aoki and BTS, NAO and The Struts, plus a Q&A with Welsh rock band Trampolene (Independent 2018年10月26日)

以下、当サイトによる翻訳(該当箇所のみ)



テキスト by Roisin O'Connor

今週の私のスポットライト・アーテイストは、過去に何度も取り上げているもう1つのバンド(デビューアルバム「Swansea to Hornsey」は自分的2017年ベスト10アルバムにさえ入っていた)。

ウェールズの青年達<Trampolene(トランポリン)>は、Jack Jones(ジャック・ジョーンズ)がフロントーパーソンを務めるバンド。彼はまた素晴らしい詩人でもあり、Peter Doherty(ピート・ドハーティ)のバンド<The Puta Madres>のギタリストでもあり、The Libertines(ザ・リバティーンズ)とも多くのツアーを行っている。

私はここでTrampolene(トランポリン)の「The One Who Loves You」のMVを先行公開させて頂いているが、これはベーシストであるWayne Thomas(ウェイン・トーマス)の弟Lee Thomas(リー・トーマス)の撮影によるものである。基本的にジャックが湖でボートを漕いでいるだけという作品だが、観るだけで不思議と心が鎮まるように仕上がっている。

本ビデオは、ジャックが最近受け取った不運な健康に関する知らせと重なるものとなった。その件や音楽、ピート(ドハーティ)に関して私が知らされたことについて下記でお読み頂きたい。



Trampolene - The One Who Loves You



OK、ジャック。調子はどう?

こんにちは、ロイシン。調子はまぁいいよ。僕と話してくれてありがとう。全てが君にとってうまくいってるといいんだけど。ちょうど電話を壊しちゃったばかりで…上に座っちゃってね。電話の受信しか出来ないから、このメールはJai(ジャイ:Peter Dohertyのマネージャー)の電話で、東京行きのフライトに間に合うよう急ぎながら打っています。東京ではソロでTrampolene(トランポリン)名義のインストアを演る予定になっているんだ。

関節炎の診断のニュースを聞いて残念に思います。あなた個人にとって、またあなたの音楽にとって、これは何を意味するのでしょう?

ずっと手と首がちょっとおかしくて…、主に酷い痛みとか腫れだったんだけど、それについてあまり調べたりはしてなかったんだ。で、The Sherlocksとのツアー後のある朝、両手が開かなくなってギターも弾けない、ペンを持って字も書けない、手でドアも開けられない…ってなって怖くなって、本当にビビっちゃって。僕は死ぬのか、無価値な人間になって人生をどうすればいいのかも分からないってなって…。でもOK…僕は死んだりしないよ。リウマチ性関節炎ってやつにかかっちゃったんだ。クローン病に関係する自己免疫性の疾患なんだ、長く続いちゃうヤツだね:)

これが何を意味するか…僕らはどのライブもキャンセルしないけど、11月と12月のAliveツアーの後、ちょっと休むつもりなんだ。それからレコーディングも来年まで遅らせて、その間に自分の病気や治療について理解して、あんまり痛みを感じずにギターを弾く方法を編み出すつもり。だから今はたくさんの愛と痛み止めの薬、それとおじいちゃんがよく言ってたように…「神に挑戦せよ」、つまり新しい方法を見つけるために何をするかってことだよね。

新しいPeter Doherty(ピート・ドハーティ)のアルバムについて少し話して欲しいのですが。どんなサウンドで、レコーディングはどんな感じだったのかと、あと彼自身はどうだったのか?

何て言えばいいのかな…レコーディングは海が見渡せるノルマンディーの綺麗な家で1週間以内でやったんだ。あのバンドにはジプシーっぽい感じがあるよね。The Puta Madres ― たぶんバンドメンバーの国籍がバラバラだからそういう風になるんだと思うんだけど ― キーボードのKatiaはフランス出身、ドラムのRafa(スペイン)、ヴァイオリンのMiki(アメリカ)、ベースのMiggles(フランス)、僕(ウェールズ)そしてピート(イギリス)。

「Who's Been Having You Over」「A Fool There Was」「Traveling Tinker」「Paradise Is Under Your Nose」みたいなほとんどの曲は、夏にフェスで演奏した曲で、Velvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)の素晴らしい「Ride Into The Sun」のカバーもあるよ。できるだけ自然になるようライブ録音したんだけど…彼が以前やったものとか僕が以前聴いたもの、うん、少なくとも僕の耳で聴いたものの何にも似ていないサウンドだね。あんな風にピートと一緒にギターを弾いて曲作りをすると、僕の心が開放されるんだ。彼自身は元気にやってるし、彼みたいな人って他にいないよね、いい意味でね。でもある種の人には彼を放っておいてあげてほしいって思うよ。


Photo by Daniel Quesada


音楽や詩の面では他にどんなことをやっていますか?

えっと…僕はいつも後ろポケットにいくつか詩や曲を入れています。先月、コンピレーション(2枚組アルバム)「Pick A Pocket Or Two」をリリースしたんだけど、僕らのデビューアルバム「Swansea To Hornsey」には収録していなかった曲や詩が全て入っています。ニューシングル「One Who Loves You」も発売されたところです。あと僕は本を書いてるんだけど、これはどうなるか分からないな。ほぼ完成してるバンドについてのドキュメンタリーもあって、新しいトランポリンのアルバムも既に半分できてるし、ちょうど故郷スウォンジーに戻っていたところだったんだ。

あなたの愛すべき故郷の3大ベストって何ですか?

それは簡単さ。僕のママ。僕の友達。僕の犬。