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24 September 2022

Starcrawler(スタークローラー)|Arrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)ネット上のヘイトについて語る

 

End of the Road Festival (2022) @UK (Photo: Burak Cingi/Redferns)


Starcrawler(スタークローラー)の3枚目のアルバム<She Said>の海外盤が2022年9月16日にリリースされた。関連する英語記事やインタビュー動画をチェックしていたところ、ちょっと前(2022年6月17日)、アロウ嬢が自分の体型に関するヘイトについてインスタグラムに投稿した件を取り上ている記事を発見。アロウ嬢が自分のことをいろいろ話していて興味深いので翻訳してみることにする。

【元ネタ英語記事】Starcrawler's Arrow de Wilde on battling body-shaming trolls and being proudly different: 'My worst fear is just being forgotten'(Yahoo Entertainment 2022年9月20日)


以下、当サイトによる翻訳

ロサンゼルスのネオ・グラム、ガレージ・ロックバンドStarcrawlerは、3枚目のアルバム<She Said>のリリースに向けBig Machine Records(ビッグ・マシーン・レコード)と契約。今や新しいロックシーンをけん引する存在となった彼らは、My Chemical Romance(マイ・ケミカル・ロマンス)、Jack White(ジャック・ホワイト)、Nick Cave(ニック・ケイヴ)のようなメンツとツアーし、Dave Grohl(デイヴ・グロール)、Elton John(エルトン・ジョン)、Sex Pistols(セックス・ピストルズ)のSteve Jones(スティーヴ・ジョーンズ)、Tom Petty(トム・ペティ ※Tom Petty and the Heartbreakersのこと)のギタリストMike Campbell(マイク・キャンベル)、Nikki Sixx(ニッキー・シックス)等の有名人のファンを獲得。特に、Garbage(ガービッジ)のShirley Manson(シャーリー・マンソン)はフロントウーマンArrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)の激しく恐れを知らぬ姿に自身の姿を重ねているようだ。

が、残念なことに、Starcrawlerの知名度が上がるにつれ、23才のデ・ワイルドの細身で長身の体型に、主にネガティブな注目が集まるようになった。やがてネット上のヘイトは激しさを増し、デ・ワイルドはインスタグラムで荒らし的なコメントに対処せざるを得なくなったという。


「こんなこと書くべきじゃないし、絶対に書かないと自分に言い聞かせてた。子供の頃から私の身体を見てあれこれ決めつけてくる人達に対処してこなきゃならなかったけど、ここ数日はこれまで経験した中で一番酷かった」。

 

デ・ワイルドはインスタグラムのキャプションにそう書き込み、昔からズバ抜けて背が高く痩せていたことを示す子供の頃の写真を添えた。


「インスタグラムやTikTokでの私の身体に関するヘイトの数ってバカみたい。この件についてこれまで取り上げることはしなかった。正直、誰に説明する必要もないと思ってたから。自分の両親や親戚は今の私より痩せてるとは言わないけど、私と同じくらい痩せていた。瘦せ型なのは遺伝で、背が高いのも遺伝。自分は身長6フィート3インチ(=190cm)あって、異常に代謝が良く、ウンコは1日3回するし、誰よりも大食い。コレについてはホントどうにかしたくても何も出来ないんです。だけど自分が本気でイヤなのは、仮に私に摂食障害があるとして『チーズバーガーを食え』だとか『死にそう』だとか言ってくることが本気で私のためになると思ってるわけ?『痩せ過ぎだ、もっと食べなきゃ』『デカ過ぎだ、もう食べるな』。こういう人達って、自分が持ってる偏見を"アドバイス”だとか”心からの心配”だとか偽ってるだけで、実際はろくでもないヘイトだったりする。どんな体型の女性だって体型を変えろなんて言われる筋合いはないはず。苦しんでるんじゃないかって思う人が自分の娘、姉妹、妻だったら、そんなこと言います?ヒトの身体についてあれこれ言う権利があるってなんで思うんだろう?それになぜ私の身体には"個人的なアドバイス(PSA:Personal Self Advice)"が付いてまわらなきゃならないわけ?」



(Photo: Gilbert Trejo)



「長いことそういうのが続いてたから、頭の片隅ではいつか何か言わなきゃな~とは思ってたんです」。LAの自宅の裏庭からZoom経由でYahooエンターテイメントと繋いだデ・ワイルドはそう語った。ちょうどTroubadour(トルバドゥール ※ハリウッドのライブハウス)でのプロムをテーマにしたShe Said発売記念パーティーを盛大に行うための飾り付けを作っているところだった。「でもいつも先延ばしにしちゃってて。それに絶対に望ましくない方向には行ってほしくなかった。でもTikTokを始めたら…、コメントが何百件も来てほとんど全部が私の身体のことを言ってた。そういうのには慣れてるんですけど、投稿1件につき数件みたいなのには慣れてたんだけど、今回のは殺到と言った方が良くて『死ねばいいのに』みたいなのとか、もう異常でした」。

あのインスタグラムの投稿は、彼女が拒食症であるとの噂を打ち消すためにしたのではないとデ・ワイルドは強調する。そんなことをしても無駄だからだ。「自分の言うことを全然信じてくれない人達っていうのがいて、どうすることも出来ないんです。生まれつきこんな風に痩せてるんだって言っても全然信じてくれない。どうしろっていうのか全然分からない!やりたいんならチーズバーガー20個、強制的に食べさせてもいいけど、そんなことしても私の見た目は何も変わらないって断言しときます」。むしろ彼女は実際に摂食障害に苦しむ人が日常的に戦わねばならないネット上での侮辱に異議を唱えるため、あの投稿をしたのである。

「自分には摂食障害はないけど、摂食障害がある人をヘイトする人がいるっていうのが本当に変。仮に私が拒食症か過食症だったとして、こんな酷いコト言って私のためになると本気で思ってるわけ?効果があるとかマジで思うわけ?拒食症とかで苦しんでる人のことが気に入らないっていう人達がいるの、本当に面倒くさい」。デ・ワイルドはそう不満を漏らす。「メッセージでああいうのを見つけるのはもうウンザリ。『なんでそんなに怒ってんの』って感じ。他人の脳ミソの中までは分からないけど、ますます落ち込んじゃうと思う。だって、自分が本当に摂食障害だったら、ああいうコメントを見たらさらに悪化すると思う。…私に『ちょっと心配で』とか言ってくる人の意味が分からない。超気が狂ってること言ってるのに、『ちょっと心配になって!ヘイトのつもりはないです!ただ心配で!』みたいな感じ。こっちとしては、アナタ何も心配してないっしょ。私のこと知らないでしょ。なのに何で心配する必要があるわけ?って感じ」。



Starcrawler - "Roadkill"



子供の頃からずっと、デ・ワイルドは周囲に馴染めず、小学校ではあまりに他の子と違っていたため「ちょっとイジメられた」のだと明かしてくれた。実は、Starcrawlerの2019年の楽曲「Lizzy(リジ―)」は、「子供の頃にトラウマになったある出来事」について書かれたものだという。小学1年生の時、Lizzyという名前のクラスメートが、まるで映画<Carrie(キャリー ※アメリカのホラー映画(1976年))>のワンシーンのように学校のトイレでアロウを待ち伏せしていた。「トイレの個室でオシッコしてたら、突然Lizzyが友達とやって来たのが聞こえて、誰かをヤル気満々だった」アロウは回想する。「足を隠そうとしたんだけど(※アメリカのトイレのドアは防犯の為短く、足が丸見えになる)、Lizzy達は中に誰がいるのか確かめようと個室のドアをバンバン叩いてきて、私はウンコもしてたからホント恥ずかしかった。で、Lizzy達は私を見つけて悪態をつき、私の足首を掴みながら何か叫んでた」。



Starcrawler - "Lizzy"


Sleeping in the bathroom stall

Teacher screaming at me

Lizzy wants to have some fun

But I know what that really means

Took my lollipop, ripped my valentine

Little miss garbage girl

Push me for the very last time

I think I'm falling down

I'm falling down...


またデ・ワイルドには、名高いロックフォトグラファーでありビデオディレクターでもあるAutumn de Wilde(オータム・デ・ワイルド)とベテランドラマーAaron Sperske(アーロン・スパースク:Beachwood Sparks(ビーチウッド・スパークス)、Father John Misty(ファーザー・ジョーン・ミスティ)、Ariel Pink(アリエル・ピンク)、Pernice Brothers(パーニス・ブラザーズ)等で活躍)の娘として、普通でない環境で育った為、周囲に馴染めないという悩みもあった。「ウチにはいつも色んなバンドメンバーが泊まりにきたり、訪ねてきたりしていて、自分はそういう環境で育ちました。それが普通だと思ってたんです」。アロウは肩をすくめた。10才位になるまで両親のロックンロールなライフスタイルが普通ではないことに気付かなかったという。自分の家より標準的で保守的な友人宅のディナーに招かれた時のエピソードを話してくれた。

「全員でテーブルを囲んで食事したんですが、そんなことしたこともなかったんです。理由の一つは両親が離婚してたこと、二つ目の理由はウチはいつもテレビとか見ながら食事していたこと。(食事は)大切な儀式的なものじゃなかったから、そういうのを経験したことがなかったんです。で、そこんちのパパはアイルランド系カトリック教徒だったから『それでは感謝の祈りを捧げましょう(=Say grace)』みたいなノリで。自分の両親は信心深いとかそういうのではなかったから、自分はもう食べ始めちゃってて、そこんちのパパに怒られちゃった」。アロウは回想する。「そこんちのパパの顔が真っ赤になってて超怒ってたけど、自分にはどうしてか全然分からなくて。『グレース(Grace)って誰?』って感じだった。あの時が『あ、そうか。きっとこっちが普通なんだ』ってはっきり自覚した瞬間だと記憶してます」。



Starcrawler - "Stranded"



しかしながら、子供時代の変わった環境はアロウをロックンロールの道へと導くことになる。「ウチの両親って、インスピレーションを掻き立てるように音楽を教えてくれたんですよ。必ず会話の一部になってて、やらされてる感がない」。そして中学生になるまでに「自分のスタイルが見えてきた」のだという。「Bikini Kill(ビキニ・キル)にハマって、Black Flag(ブラック・フラッグ)、それからOzzy Osborne(オジー・オズボーン)やその周辺の音楽に出会って、クールなモノにハマり始めたんです。まだあんまりよく分かってなかったですけどね。自分はちょっとしたTumblr女子的な感じだったんですが、そのおかげで自分以外にも世間の標準からズレてる女子がいることに気付けたんです」。また彼女は「ロックの世界にいる人ほぼ全員」が、自分のような社会不適合者であることに誇りを持っているのに気付いたという。「高校時代、カッコいいとされてたロックスターで私が知ってるのって、Mötley Crüe(モトリー・クルー)のVince Neil(ヴィンス・ネイル ※破天荒キャラで有名)だけだったと思いますが、なるほどって感じですよね」彼女は笑う。

皮肉なことに、アロウは彼女が通う高校で最もクールなキッズだったとも言えるだろう。10代になる頃までには自分の個性を受け入れ、KISS(キッス)をテーマにした16歳の誕生パーティーを開催、ハリウッドにある70年代にインスパイアされたヒップスター・バー<Good Times at Davey Wayne's>で父親の結成したカバーバンドで歌うことさえして、敬愛するCherie Currie(シェリー ・カーリー ※The Runawaysのリードボーカル)をコピーしてThe Runawaysの<Cherry Bomb(チェリー・ボンブ)>をシャウトしていた。「パフォーマンスの良い練習になりましたね」と彼女は語る。アロウはまた、年上の友達でThe Runawaysの熱狂的なファンであるLily(リリー)とLAのクラブシーンに繰り出すようになる。「リリーは過酸化水素水で脱色したFarrah Fawcett(ファラ・フォーセット ※テレビドラマ<チャーリーズ・エンジェル>等で有名なアメリカの女優)の髪型で、短いホットパンツにシルクのボンバージャケットを着て学校に通ってた。自分も髪をブロンドにブリーチしていろんなクラブに一緒に行ったけど、クラブに潜り込むのはそんなに難しくはなかったです」。




(Photo: Gilbert Trejo)



そしてついに反逆者仲間であるHenri Cash(ヘンリー・キャッシュ)を誘いStarcrawlerを結成。クラブシーンを制覇し始めた頃、アロウはまだ高校生だった。校内でヘンリーに近付いたのはアロウからだったが、初めての台詞は「キミカッコいいじゃん。ギターは弾く?」だったという。「自分はまだ良いパフォーマーではなかったし、ステージ上ではめちゃビビってた」とアロウは語る。Starcrawlerがレコード契約を獲得するのには時間がかかったが、天性のアロウのカリスマ性はスタートの頃から明らかだった(アロウ談:「StarcrawlerのことをIndustry Plant(インダストリー・プラント ※自然に売れたように見せかけて実は業界のバックアップを受けている / 実際にはメジャーと契約しているのにインディペンデントだということにしているアーティスト)だと思ってる人がいたら、信じて。LAではそんなの関係ない。デモ音源を送っても返信はゼロだったんだから!)。バンドはやがて地元でバズることになるわけだが、それはStarcrawlerが2015年頃のLAの他バンドとは全く違っていたからであろう。

「高校の頃に自分が行ってたライブって、悪いけど、つまらなかったんですよ。見てて退屈だったから自分でやってみたいと思うようになりました」アロウは語る。ステージ上で目立つため、アロウはCherie Currie(シェリー ・カーリー ※The Runawaysのリードボーカル)のようなコルセットやAlice Cooper(アリス・クーパー)風の拘束衣を着てステージに立ち始め、Gene Simmons(ジーン・シモンズ)がやるように偽物の血を吐いた。初期のStarcrawlerのライブは、前述した映画<Carrie>のプロムのシーンを連想させる残忍で挑戦的な見世物だった。「人の注目を浴びることをやりたかったんです。少なくとも記憶に残るもの。嫌われたとしても忘れることは出来ないから」アロウはそう説明した。「自分にとって一番怖いのは、ただ忘れ去られることなんです」。




Arrow de Wilde (2019) (Photo: Tim Mosenfelder)



やがて、忘れられない存在となったアロウとバンドメンバーはRough Trade(ラフ・トレード)と契約を結び、ロックの新しい救世主として歓迎された。GarbageのShirley Mansonは「Starcrawler、特にアロウは音楽業界で女性が置かれている規範に挑戦しているように思う」と述べている。事実Mansonは、アロウがステージ上で自信が持てるようになるようアドバイスをくれたとアロウは明かす。「彼女は私を叱咤激励してくれた人のひとりだった。『そんなに怖がるのは止めて。アナタがイケてるって私には分かるけど、そんなに観客を怖がってちゃダメ』って言ってくれた」。

最近のアロウは、もうハリウッド的な芝居がかった演出で人目を惹く必要はないと感じているという。Big Machine(ビッグマシン・レコード)でのデビューで、Starcrawlerのサウンドが、アメリカーナ(※カントリー、ルーツロック、フォーク、ゴスペル、ブルーグラスなど、アメリカの様々なアコースティックルーツ音楽スタイルの要素を取り入れた音楽ジャンル)や90年代のインディーズのテイストを取り入れて進化したからだ。「もう血はやってないんですよ。飽きちゃったし、わざとらしくなっちゃってるし。ラスベガスのアトラクションに転向したいわけでもないですから」アロウは語る。しかし最近のロック復活の渦中において、Starcrawlerの時代は間違いなく到来しているようだし、ロックの復活をリードしているとも言えるだろう。今やStarcrawlerのやっていることは、ノーマル(!)と見なされてさえいるかのようだ。



Starcrawler - "She Said"



「高校生の頃、…って2017年卒業だから、そんな昔のことじゃないですけど、ロックが好きな人なんてマジでひとりもいなかったんです。今はまたロックを聴くのが普通のことになったって感じるけど、長い間ロックは親世代の音楽だと思われてて、普通キッズ達って親が聴いてる音楽なんて聴かないですよね」アロウは語る(アロウの血筋を考えると間違いなく皮肉なコメントであるが)。「だけどロックは、キッズ達も共感できるような新しいフレッシュな感じで復活しつつあるって感じるし、キッズ達もそのうち古いものを評価するようになるんだろうなって思います」。


※本インタビューの一部は、Starcrawlerが出演したSiriusXMの番組「Volume West」から抜粋している。SiriusXMのアプリでインタビューのフル音源が聴取可能。


◆あわせて読みたい当サイトStarcrawler(スタークローラー)記事:



12 March 2018

Starcrawler(スタークローラー)|Arrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)インタビュー



【元ネタ英語記事】L.A. ROCKERS STARCRAWLER WANT TO PROVE THAT KIDS CAN STILL KICK ASS (Interview Magazine 2018年1月19日)


以下、当サイトによる翻訳(前文は省略)


どうやってスタークローラーが結成されたか話してくれるかな?


Arrow de Wilde(アロウ・デ・ワルド、以下ADW):まず自分とオースティン(Austin Smith・ドラマー)が共通の友人を介して知り合ったんです。オースティンがドラムを叩くのは知ってて、自分はバンドやりたいって考えてて…。楽器を演っていて自分と音楽の趣味がカブるのはオースティンしかいなかったんです。それでジャムをするようになりました。自分とヘンリ(Henri Cash・ギタリスト)は学校が同じだったんですが、ヘンリのことは知らなくて、ちょうど夏になる前、ある日学校でヘンリにアプローチしてみたんです。チューバを抱えてたから、チューバなんか持ってんならギター弾ける気しないなとは思いつつ(笑)。「キミ、かっこいいじゃん。ギター弾く?」って訊いたらビビられたんですが、弾けるって言われたので電話番号を交換しました。3人で曲作りを始めて何人か違うベーシストとも演ってたんですが、そのうち旧友のティム(Tim Franco)がベースを弾くことを思い出して…。それからバンドがうまく行くようになったって感じですね。


エルトンジョンが君たちのバンドや「Ants」を発掘するに至ったのはどういう経緯で?


ADW:彼の周りの誰かがスタークローラーのバンドアカウントにメールしてきたんです。「オー、イェー、来週エルトンがラジオ番組で『Ants』をかけるよ」ってだけ書いてあって。思ってもみなかったクレイジーな出来事で本当に嬉しかったです。


ライアンアダムスが今度出るLPをプロデュースしたんですよね。彼とはどうやってつながったの?


ADW:インスタグラムで自分たちを見て興味を持ってくれたらしいです。ライアンと自分の母親は長年の知り合いで、特に90年代に親交がありました。最近は疎遠になってましたが、インスタグラムに母が上げたのを見てライブに来てくれて、スタークローラーのレコーディングにとても興味を持ってくれました。ウチの母親がバンドのために動いたんだろって思ってる人も多いんですが、ライアンのことは自分たちの眼中になかったし、それは違うんです。彼にプロデュースしてもらおうとか、「彼に聞いてみてくれない?」って母親に頼むなんて考えたこともなかったです。でもライアン側からバンドにアプローチがあった時、マジでクールで驚くべきアイディアだって感じたんですよね。仮にもし母親に頼んでいたとしても、多分ウチの母親、「ライアンは興味ないと思うよ~」とか言ってたと思いますけど(笑)。


君にアーティスティックな著名人の両親がいるせいで、今の地位は君自身が築いたものじゃないって思ってる人も多いんじゃないかなと思うんだけど。たとえ音楽を聴いてみればそうじゃないって分かるとしても…。この過程をスタートさせる時、キャリアパスについて考える上で役立った両親の教えみたいなのって何かある?


ADW:ありますよ、特に父親から。音楽業界界隈で大きくなったから、業界がどう回っているのかはもう分かるようになってました。最初にこのバンドを始めた時も、父から多くのアドバイスをもらいましたね。母親からもですけど、父は自分がどう進むべきかについて大きな手助けとなってくれました。







このLPの中の曲は全曲スタジオ入りする前に書いたの?


ADW:全部前もって作ってたんですが、完璧に出来上がってないのが2、3曲あったので、ライアンにもっと曲らしくなるようヘルプを依頼しました。作ってみたものの完成した感がないままの曲に「I Love LA」があったんですが、いろいろ変化を加えてくれてライアンの手助けは大きかったですね。


未完成曲を詰めるのをヘルプした以外で、プロデューサーとしてのライアンがレコードに施した具体的なことって何がありますか?


ADW:スタジオ入りする前、「I Love LA」はひどい状態だったんですが、ライアンが今の形にしてくれました。あとバラードで「Tears」っていう曲があるんですが、作ったはいいけどどうしたらいいのか、どんなサウンドにすべきか全然分からなくて…。ライアンは曲を解体してギター、ヴォーカル、ちょいシンセサイザーって感じに仕上げてくれましたね。


ロサンゼルスで育ったのは君の音楽スタイルにどう影響してる?


ADW:あそこで育ったのはとっても良かったです。シーンもいろいろたくさんチェックできたし、ライブに行きまくって大人になりました。週末とか、パーティーの代わりによくライブに行ってましたし。音楽みたいなことをやりたければロス出身ってことは大きいと思います。


スタークローラーはLAのバンドだって思ってる?


ADW:カテゴリーに当てはめるのはあんまり好きじゃないです。そこから抜け出せないって感じたりするから。だけどそうだとは思います。自分たちの出身地だし、ロスについての曲だってあるし(笑)。


スタークローラーはよく死にゆくロックンロールの再改革とか再活性とか言われてるけど、それは狙ってたことなの?


ADW:ロックはメンバー全員を団結させたし、自分たちが演りたいことでもあるんです。少なくとも自分は過去に戻ってロックを昔みたいにポピュラーにしたいと思ってます。だけど同時に、ただ楽しんでるだけだっていうのもあります。自分たちはただ音楽をプレイしてるだけなんです。






これまで聴いてきた好きなバンドの中で、今回のニューLPを作るにあたりインスパイアされたバンドって誰になるの?

ADW:間違いなくオジー(Ozzy Osbourne)。オジーとサバス(Black Sabath)。生まれて初めて好きになった最初のバンドはビートルズ。でも自分に音楽をやりたいって思わせたのはオジーですね。

フレッシュで新しいサウンドを追求しつつも、つい好きな音楽のオマージュにしようとしちゃってた…みたいなことってありましたか?

ADW:スローバック(過去の振り返り)バンドだみたいによく言われるんですが、スタークローラーは完全にオリジナルなことをやってるって今でも自分は思ってます。私がある種の衣装を着てるとかそういうことじゃないんですよね。いや、確かに自分はステージ衣装を着てるけど、自分のアイドルそっくりになろうとしてるわけじゃないし、インスピレーションを得て、それから自分自身のものに取り入れてるって感じですね。

スローバックだと言われたり、君の成功について両親のおかげだって思われることに困惑することはあった?

ADW:それについてはそんな大したことじゃないです。どう言われてるかにもよるけど…。いつだって人は何かをたくさんのカテゴリーに当てはめなきゃ気が済まないみたいだから、困惑することはあるかもしれないけど。

LAで育ってこれまで行ったライブの中で、音楽やパフォーマンスに人生を捧げたいと君に意識させたライブは何かある?

ADW:このバンドを始める前、友達のバンドが出るライブによく行っていました。ロックミュージックに近いものってそれだけで、自分はそういうライブが大好きでした。自分に音楽とは何かを教えてくれたのはLA界隈の普通と違うグラムにインスパイアされたバンドの数々でしたね。





スタークローラーのライブはその激しさとエネルギーで知られるようになって、君はステージで観客を挑発するのが好きだよね。そういう観客との絡みが裏目に出ちゃったことはあるの?


ADW:怒る人はよくいますね。そういうのなら簡単に思い出せますよ。皆んなとても心配してくれるんだけど、自分にとってはそれは可笑しなことなんです。自分がうっとうしい奴だからそういう人たちが暴力的になっただけの話。観客に向かって唾を吐いたり触ったりするの、好きなんですよ。そしたらそういうことをされた人たちが立ち上がって、ある女性なんてナイフを取り出して、自分を待ち伏せするために外に出てましたもん。自分と喧嘩か何かしたかったんでしょうね。ステージが終わったらセキュリティーのところに飛んで行って、自分が半殺しにならないようお願いしときましたけど。自分にとっては可笑しなことでも、あの女性にとってはイヤだったんでしょうね(笑)。


あのライブのエネルギーをレコーディングスタジオ用に変換するのは難しかったですか?


ADW:全然。だってほぼ一発録りだから。重ね録りもしたけど、トラックは全部ライブ録りしました。練習でやってるのと同じですね。簡単だし、ステージで演る感覚と同じに感じました。


スタークローラーが最初にライブをやり始めた頃、君はまだ高校生だったよね。全く異なる2つの生活のバランスを取るのってどんなだったの?


ADW:大変でした。公立の学校に通ってたし、欠席にはとてもウルサイ最終学年だったから。7日とかしか休めないのに、自分は30日も休んじゃってました。結局大丈夫だったんですが、あの頃午前2時に寝て6時に起きて学校に行かなきゃならなかったから最悪でした。容赦なかったし、もうアレをやらなくていいと思うと嬉しくて仕方ないです。


君の音楽的ヒーローがすごい有名人だってことを考えると、君にもスターダムに昇りつめたいって野望はあるのかな?


ADW:300万枚!それが目標(笑)自分は曲作りが好きだけど、公言してようがいなかろうが、誰だって一定レベルの成功を望んでると思います。うん、自分の夢はツアーバスとか、いろんな派手で悪趣味なヤツを全部手に入れること。だけど例えそうならなかったとしても音楽はやり続けるだろうし、ただ単に楽しいままなんだろうなって思います。



Starcrawler(スタークローラー)。メンバーは左からHenri Cash(ギター)、
Arrow de Wilde(ヴォーカル)、Tim Franco(ベース)、Austin Smith(ドラムス)


6 February 2018

Starcrawler(スタークローラー)|LA Weeklyインタビュー




【元ネタ英語記事】With Fake Blood and Frenetic Songs, Starcrawler Make Rock Feel Dangerous Again(2017年8月8日)

以下、当サイトによる翻訳


『偽物の血と激しい曲でロックはデンジャラスなものと再認識させるStarcrawler(スタークローラー)』

ロサンゼルス現代美術館の駐車場は日没となり、社会不適合者4人組(うちひとりはまだ高校卒業さえしていない)スタークローラーは「Pussy Tower」を発表 ― ライブ前、寿司レストラン<Sushi Joint>で、バンドのフロントパーソンArrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド 18才)は「フェラチオについて歌った曲です、って何でもいっか」と肩をすくめていた。ライブでは、その曲が始まるや否やデ・ワイルドは姿を消し、そしてまた現れたかと思うと観客目がけて血のりを吐きつけた。叫び出す者に笑い出す者。まるでパーティーの出し物である。

ライブ前半、デ・ワイルドは病院着で暴れ回り、精神病患者のビデオを研究し盗み取ったであろう半狂乱の表情を浮かべていた。ステージ上の彼女の人格は、アーカム・アサイラム(訳者注:「バットマン」に登場する精神病院)からの架空の脱走者か、Nick Cave(ニック・ケイヴ)やPJ Harvey(PJハーヴェイ)の卵のようである。病院着の下にはヒカリ物の男性用ブリーフを着用。最後には衣服を脱ぎ捨てコウモリの如く自分の腕を身体に巻きつける。おそらくかつて影響を受けた彼女のヒーローOzzy Osbourne(オジー・オズボーン)を真似てのことだろう。


(左から) Tim Franco(べース)、Henri Cash(ギター)、
Arrow de Wilde(ヴォーカル)、Austin Smith(ドラムス)


スタークローラーはここ1年程、よくグラムパンクのリバイバルバンドThe Lemon Twigs(ザ・レモン・ツイッグス)と対バンで、ロサンゼルス界隈でライブ活動を行ってきた。恐らく実際に彼らを観る前にその瑞々しいロックンロールミュージックを聴いたことがある人も多いことだろう。先月、デ・ワイルドはジョシュア・ツリーにあるナイトクラブ<Pappy and Harriet's>で観客に向け赤い血のりを吐いた。それにブチ切れた1人の女性がナイフを握りしめステージに向かってきたという。

「本物の血だと思うみたいなんです」デ・ワイルドは言う。え、ホンモノ?「作り方は秘密だけど、すんごいマズイんです」。

この4人組はロサンゼルス現代美術館のライブでクライマックスを迎え、バンドメンバーが楽器と格闘している中、デ・ワイルドはステージから飛び降り、殴り合いのケンカを煽りながらモッシュピットを急ぎ足で立ち去った。最後にドラマーAustin Smith(オースティン・スミス 22才)が観客にドラムスティックを投げ入れ、ギタリストHenri Cash(ヘンリー・キャッシュ 16才)が「本当にありがとう。皆んなくたばっちまえ!」とシメる。

ベーシストTim Franco(ティム・フランコ 20才)と共に、スタークローラーは今夜のオープニングアクトを務めたのであるが、対バンの他のバンドまで帰ってしまいかねない勢いである。

2階の楽屋ではデ・ワイルドが穏やかに腰掛け、「今何があったの?」と尋ねるのだった。全くもって良い質問である。



Starcrawler "Pussy Tower"


数時間前、礼儀正しいキャッシュはサウンドチェックでスタッフ全員に挨拶していた。最年少で気さくなキャラクターの彼は、キャメロン・クロウ監督の<あの頃ペニー・レインと>のやり口でGeorge Harrison(ジョージ・ハリスン)の役割を引き受けている。幼稚園の頃、Ramones(ラモーンズ)のアンソロジーを持っていき、他の園児達に見せていたらしいが「誰も分かってくれなかった」のだと彼は言う。

キャッシュは手指がギターを弾くに足る大きさになる頃からギターをプレイしてきた。今では自身のアイドルJack White(ジャック・ホワイト)に対抗出来るまでになった。アドレナリンで麻痺して指から血が出ているのに気付かないこともよくある。去年<The Echo>でのライブではステージで鼻を骨折したものの、翌日、写真撮影で変形した自分の顏を見るまで気付かなかったという。

最年長のスミスはベニスビーチのスケーターの風貌であるがハリウッド育ちだ。そしてリズム隊のパートナーであるフランコは物静かな男である。「最初ティムのことヤな奴かもって思ってたけど、最高にいい奴だった」とはキャッシュの評である。

万一スタークローラーが暴漢に襲われても、リズム隊が守ってくれるとデ・ワイルドは太鼓判を押す。「あの人達、銃を持ってるから」。彼女は言う。

キャッシュが興奮気味に語り出す。「ステージでKeith Richards(キース・リチャーズ)がMick Jagger(ミック・ジャガー)の背後から来た奴をギターでブン殴ってる動画見たことある?」。キャッシュが他のメンバーに目を向ける。「僕らもアレのリハーサルをしなきゃね」。

デ・ワイルドはエコパークのアートコミュニティー生まれで、ドラマーであるAaron Sperske(アーロン・スパースク)(Beachwood Sparks(ビーチウッド・スパークス)、Ariel Pink(アリエル・ピンク)等で活躍)と、写真家であるAutumn de Wilde(オータム・デ・ワイルド)の娘である。子供の頃にはElliott Smith(エリオット・スミス)が身近にいた。<Teen Vogue>や<Paper>でモデルを務め、16才にしてLena Dunham(レナ・ダナム)が監督したBleachers(ブリーチャーズ)のミュージックビデオにも出演を果たしている。


Bleachers "I Wanna Get Better" (2014年3月27日公開)
当時16才、ショートカットのアロウ・デ・ワイルド出演(1分17秒~)


スタークローラーはデ・ワイルドとスミスがフェイスブックを通じて知り合い、ジャムセッションを始めた2年前に端を発する。「何回か一緒に演って『コイツ悪くないじゃん』って思って」とスミスは説明する。デ・ワイルドはキャッシュのことを2人が通っていたイーストロサンゼルスのパフォーミングアートスクールで見つけた。彼がチューバのケースを運んでいるのを見かけ、ギターを弾くか尋ねたのだという。フランコはデ・ワイルドの知り合いの中で唯一ベースを弾く人物だった。フランコは彼にとって最初のリハーサルに汗を滴らせながらバイクで乗りつけた。彼は燃えていたのか?「だって遅刻してたから」。フランコは表情を変えることなく答えた。

スタークローラーは、彼らにとって初のライブを去年の春、サンセット通りのヴェニューで行った。デ・ワイルドが「クローゼット」と表現する小規模なハコである。中には40人がすし詰めとなり、外には会場に入りきれない数十人が窓越しに見つめていた。「僕らが1発目のバンドだったんだけど、終わったら皆んな帰っちゃってさ」。笑いながらスミスが回想する。「対バンの奴ら困ってたよね。僕にしてみれば『君達お友達いないの?』って感じだったけど」。

最近のバンドは「退屈」だとデ・ワイルドは考えているようだ。そして自分自身を過去の神話に重ねることを彼女は好んでやる。「ロックスターが楽屋でどうしてるのか、どんな感じなのかって考えたりしちゃいますよね。でも今のバンドって、普通の人より高いところにいる存在って感じではもうない。ミステリアスな存在じゃなくなってしまってるんです」。デ・ワイルドはそう語った。

そんな訳で、デ・ワイルドもキャッシュもステージにふさわしいファッションをしているのだ。病院着はデ・ワイルドが着用する2つのコスチュームのうちの1つだ。キャッシュは黒のブレザーに赤いシャツを選択。「The Beatles(ザ・ビートルズ)みたいにね。The BeatlesとRamonesにはユニフォームがあったよね。今じゃバンドは帽子にギターの、ただのヒップスターだけど」。キャッシュはそう語った。

ツイッターでのスタークローラーのプロフィールには「We will kill you(お前を殺す)」とある。「殺っちゃうぜ!」とキャッシュが言う。「ウチらのショーで観客はショックを受けてビビるんだけど、そんなことが未だに出来ちゃうなんて知らなかったんです」。デ・ワイルドが語る。「怒っちゃったりとかもするんだけど、それが気に入っています」。

あまりスタークローラーに興味がない傍観者の目に、バンドの姿は「病んでいる」と映るようだ。「僕ら、拒食症のヤク中だって思われてる。あと女性蔑視とか」。キャッシュは冷笑する。キャッシュは、この日バンドのインスタグラムに届いた嫌がらせメールを読み上げた。標的になるのは大抵デ・ワイルドである。そのメールは「あんな女がアピールするものなんて何もない。あんなのが有名人だなんてあり得ないし、まさに拒食症のプロモーションをしているようなもの」と結ばれていた。

キャッシュは憤慨した様子でデ・ワイルドの天ぷらが盛られた皿を指差す。「アロウは拒食症なんかじゃないよ。食ってるじゃん!身長6フィート2インチ(188センチ)もあるんだぜ。アロウのママが同じ年の時の写真を見れば同じことだよ」。

「気にしてない」のだとデ・ワイルドは言う。「拒食症だみたいなことはずっと言われてる。可哀想だとか思われたくない。この件について発言してもいいんだけど、それを公言したらもっと…」。彼女は答えるべき言葉を探しあぐねているようだった。

いわゆる「ボディ・ポジティブ(訳者注:世間のステレオタイプな女性の「美」の概念に振り回されることなく、ありのままの自分の身体を受け入れようとするムーブメント)」を自称する男女同権主義者からデ・ワイルドが攻撃されることにスタークローラーは失望していた。彼女のステージ上での役割を考えればなおさらである。「この素晴らしい女性のフロントパーソンって思われたくない。他のメンバーと同じタダのフロントパーソンでいたいんです」。デ・ワイルドはそう言った。

ステージ上での彼女の奇妙な動きは、The Runaways(ザ・ランナウェイズ)やOzzy Osbourne(オジー・オズボーン)に影響を受けたものである。彼女のオジーへの愛着は特に深いものがあるようだ。「<Blizzard of Ozz(ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説)>を聴いて、これまでの人生で聴いた中で一番最高のアルバムだって分かったんです。それからYouTubeの動画やインタビューを全部見て、オジーの本も読みました。オジーへの愛はロマンチックなものではないんです。Steven Tyler(スティーブン・タイラー)は今じゃうっとうしい存在になっちゃったけど、オジーは80年代に身に着けてたスパンデックスの服を着ようとしたりはしない。ただただシックなんです」。



2018年、ついに初来日を果たすStarcrawler(スタークローラー)


音楽の話となると、スタークローラーは本当に実直でちょっとプロっぽくさえある。ライブもまだ演ったことがないうちからファーストシングル「Ants」とそのB面「Used to Know」をレコーディング済みなのである。「Ants」は文字どおり毎年キャッシュ家を悩ませる夏恒例・蟻の大発生について歌った曲である。スピード感に溢れ、激しく、サクッと1曲演奏し終わるのと同様に即効完成させた曲でもある。「だってムカついてたから」とキャッシュは言う。

「Ants」はElton John(エルトン・ジョン)の手によって<Beats 1>のラジオでオンエアされたのだが、キャッシュによると、「面白いんだ。だって皆んな『エルトン・ジョンがお前の曲かけるんだってよ」とか言ってるのに、僕ときたら『そうそう!でも今この数学のテストやんなきゃ』みたいなノリでさ」という具合だったらしい。

スタークローラーは、同じミュージシャンである指導者としてシンガーソングライターのRyan Adams(ライアン・アダムス)を見出し、ハリウッドの彼の所有スタジオPax-Amスタジオで、アナログテープにデビューアルバムをレコーディングした。このデビューアルバムは、来年ラフ・トレードからリリース予定だ。アダムスは、デ・ワイルドの母オータムをインスタグラムでフォローしていたことからスタークローラーを発見したという。多くのロックミュージシャンがそうであるように、アダムスもまたオータム・デ・ワイルドに撮影されていたのだ。デ・ワイルドの母がアロウにアダムスからのメッセージを伝えた時、彼女の反応はと言えば、長い間行方不明の伯父のことを聞きつけた者のようだったという。「ライアン・アダムス?長いこと名前聞かないよね」と。

デビューアルバムやその背後にある意図を解説するよう彼らに求めると、スタークローラーは揃って口をつぐんだ。「僕らを皆んなのドラッグにしてくれよな」。キャッシュのその言い草は、まるで脅し文句のようにさえ聞こえたのだった。


◆あわせて読みたい当サイトStarcrawler(スタークローラー)記事:

12 June 2017

Starcrawler(スタークローラー)|LAのカルチャー誌ISSUEによるバンドメンバー全員へのインタビュー



【元ネタ英語記事】  http://issuemagazine.com/starcrawler/#/ (Issue Magazine 01-2017)

以下、当サイトによる翻訳

Starcrawler(スタークローラー)
 ロサンゼルスを拠点とし、メンバーはArrow de Wilde(17才・リードヴォーカル)、Henri Cash(16才・ギター)、Austin Smith(21才・ドラムス)、Tim Franco(19才・ベース)。現在、元WhiskeytownのRyan Adamsプロデュースによるファーストアルバムをレコーディング中。デビューシングル「Ants」は、AppleのBeats 1で初披露され、Elton Johnの番組「Rocket Hour」でかけられた。
Arrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)
Starcrawlerのリードシンガー。ロックフォトグラファーAutum de Wildeと Father John MistyのドラマーAaron Sperskeの娘。ロサンゼルス在住の高校3年生。

Arrow de WildeのTwitterプロファイルには「私は神。私は犬。@thestarcrawler の カルトメンバーでもある」と書かれている。ひたむきなまでにそのスタイル、パフォーマンス、そして創造力豊かな非日常的狂気を追求するこの17才は、ロサンゼルス拠点のバンドStarcrawlerのフロントを務めている。その赤く染まった口腔、大きく見開いた目、そして熱狂的なエネルギーにより、彼女は容赦なくライブハウスをパンクロック劇場に変えてしてしまう。高校を卒業したばかり(さもなければほぼ卒業しかけ)で、ライブ演奏の経験もまだ少なく、1枚のシングルしかないものの、Stercrawlerは既に我々の注目を欲しいままにしている。


 (左)ベーシストTim Franco(ティム・フランコ) (右)リードヴォーカルArrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)


皆んな出身はどこなの?

Austin Smith(以下Austin): 全員LAが地元。

どうやって知り合ったの?

Arrow de Wilde(以下Arrow): Austinと自分が共通の友人を介して知り合って、ジャムセッションをするようになった。ある日学校でHenriが歩いてるのに気付いてカッコいいと思って近付いて…。アタシ何て言ったんだっけ、Henri?

Henri Cash(以下Henri): 学校のこんくらい狭い階段でケースに入ったチューバを運んでたんだ。そのケースにハンドルが付いてなくてさ、ヒドイよね。マジで持ち上げなきゃならないんだから。疲れたからケースを床に置いて休憩してたらArrowが近付いてきて、「キミ、ギター弾きそうに見えるんだけど」って言ったんだ。

Arrow: 「キミ、カッコいいじゃん」って言ったんだよ。

Henri: 「キミ、カッコいいじゃん」。

Arrow: 「ギター弾く?」

Henri: それが始まりだったんだ。
 
Arrow: チューバ吹けるんなら、ギターも弾けるだろって思って。あと、Timとはちょっと前から知り合いだった。

Austin: 共通の友人を介してTimにまた遭うまで、他のベーシストともやってたんだけどね。僕らはこうしてつながったんだ。

Henri: Timは陰の実力者さ。

皆んな一緒の学校に行ってるの?

Austin: 僕とArrowだけだよ。(※Henriの発言の間違い)

学校にはあと何年行かなきゃならないの?

Arrow: 今年で最後。Henriが最年少。

Henri: 僕はあと1年あるんだ。そのうち分かると思うけど、アルバムが出て来年ツアーに行く時が来たら、オンラインスクールにするつもり。

何年くらい一緒にプレイしてるの?

Arrow: 4年ちょっと。

Austin: 今みたいな形になるまでには何段階かあったんだ。僕とArrowは多分1年半かほぼ2年くらい一緒に演ってて、それからユニットとして全員一緒に演るまでに1年くらいかかった。

ライブするようになってからどのくらい経つの?

Henri: 一番最初のライブが1年前の2月、サンセットにある「Damn」って店。それ以外はただリハーサルと練習あるのみ。

Arrow: アタシ達って普通と逆のやり方だったよね。3ヶ月くらい曲を作って練習して、Steven McDonaldとデモテープをレコーディングして、それからライブをやり始めたっていう。

Austin: ライブデビューさえしてないのに「Ants」をレコーディングしたからね。



(左)ドラマーAustin Smith(オースティン・スミス) (右)ギタリストHenri Cash(ヘンリ・キャッシュ)


今のところ「Ants」が唯一の公式リリースなわけだけど、今後何を期待していいかな?

Austin: 今フルアルバムの制作中なんだ。これがちゃんと計算どおりリリースされるよう自分達の時間を使いたいと思ってる。多分、どこかのタイミングでシングルをもう1枚リースすることになると思うけど。でも今のところ、フルアルバムについてはゆっくり慎重に進めてる。

新曲は今もまだ作ってるの?

Austin: 新曲は常に作ってるよ。

大人になる過程でどんな影響を受けてきたの?

Arrow: 一番最初にハマったのはThe Beatlesで、すっごく好きだった。子供の頃聴きたかったのはとにかくThe Beatles。もうちょっと大きくなってから、Ozzy Osbourneのことがマジで好きになった。カトリックの女子校に通ってたから、あの頃Ozzyと出会ったのは大きかった。

Henri: 小2からずっとJack Whiteに夢中だった。フォンダ・シアターのJack Whiteのライブで最前列のセンターを取りたくて7時間待ったこともある。その後、Captain BeefheartとかFrank Zappaみたいな、より実験的なものにハマっていった。変わってるやつなら何でも好きなんだ。Morphineってバンドも大好きだよ。2弦ベースとかバリトンサックスとかマジでちっちゃいドラムを高音でプレイするバンドなんだ。

Austin: 僕のルーツはクラシックロックにある。子供だった頃はLed Zeppelinを聴いてたけど、ティーンになって音楽の趣味がメタルやハードコアパンクに変わっていった。Cro-MagsとかBad Brainsみたいなね。そこからガレージロックや、よりノイジーなエクスペリメンタルロックに傾倒していった。

Tim Franco(以下Tim): 子供の頃、僕の母親はBob Seger、Billy Joel、The Beatles、Scorpions、Led Zeppelinみたいな大御所をかけてたと思う。成長するにつれて、すっごくマイナーなものにハマっていって友達とバンドを始めたんだ。その友達のおかげでボサノヴァやジャズが好きになった。それからHarry NilssonやRandy Newmanにハマった。

Starcrawlerの音楽スタイルをどう説明する?

Henri: 今のところいろいろ全部のミックスだな。

Austin: 僕らとしては、皆んなにライブに来てもらって、僕らの音楽がどんな風なのか自分で判断してもらいたいって思うよ。他のバンドが「僕らってこうなんです」みたいに言ってるのを聞くと違和感を覚えるからね。僕らは自分達独自の影響を受けてるから、演奏には影響を受けたものがそのまま反映されてる。だからライブに来て自分で確かめてみてね!

歌詞を書いてるのは主に誰なの?

Arrow: Henriと自分がほとんどの歌詞を書いてる。

Henri: リフを作るのが得意なんだ。いつもギターを手放さないよ。だけどバンドって話になると、僕らはとってもうまくかみ合ってるよね。各プレーヤーが自分だけの特技を持ってるからね。誰が欠けてもStarcrawlerじゃなくなるだろうね。





まだ皆んな非常に若いわけだけど、これがやりたいことなのかな?

Henri: もちろんさ。

Arrow: バンド全員そうだよね。

Henri: 音楽を演ることって、自分達が(人生の)秘訣を知ってるってこととほぼ同じじゃないかなって思う。

Arrow: そうだよね。自分は常に音楽に傾倒してるような子供じゃなかったけど。父がドラマーで母がバンドの写真を撮影してたから常に周りに音楽はあったんだけど、音楽がやりたいかどうかハイスクールの1年生まで分からなかった。

Henri: 僕は家族が皆んなミュージシャンだから、ミュージシャンになりたいと思いながら育った。伯父さん達がロサンゼルスでプレイする、で、その次はConanのテレビショーやら何やらでプレイする…みたいなのを見てて、僕もやりたいなと。僕もジャンプしまくって伯父さん達みたいになりたいって思ってた。面白そうに見えた。

Austin: 僕は子供の頃からずっとドラムを叩いてきた。でもそれを職業にしようとは思ってなかったな。ドラムを叩いてるとただ幸せだったんだ。だから初めの頃、ドラムはアーティスティックな手段って感じだった。

Tim: 音楽をやり始めたのはここ3年くらいのことなんだ。それ以前はビデオゲーム以外何の興味もなかった。だから全部最近の話なんだけど、今は音楽のことをとても真面目に考えてるし、毎日新しいことを学んでる。

皆んなにとってパフォーマンスってどのくらい重要?

Henri: それが全てだよね。

Austin: 僕らは本当によく練習していて、自分達が理想とする形にライブを近付けるようにしてる。僕らはいい加減なバンドじゃないんだ。ライブ前はイントロが正しいか確認したり、曲終わりをどうすべきか決めたりしてる。

パフォーマンスの美意識みたいなことについてはどうなの?

Austin: 僕らはある種の空気感を創り出そうとしているから、美的なものが果たす役割はあると思う。ただ4人がステージに立たされてるだけみたいなパフォーマンスにはしたくないんだ。僕らに本物を感じてもらえるようなパフォーマンスがしたいと思ってる。

Arrow: バンドってだけの話じゃなくて、全部ひっくるめてだよね。ショーを観てるんだから。

Henri: 毎晩違うものになるしね。

Austin: かなり即興的なものだよね。

Arrow: だけど何をやるかについては計画しておく。

…っていうと?

Arrow: 昔の自分はシャイで、ここ数年くらい何が起こってるかよく分かってなかった。前に別のバンドをやってたんだけどうまくいかなかったし。その時もまだ自分はシャイで、ただステージにつっ立ってただけでつまらなかった。「何を怖がってるの?」って自分に問いかけてた。だけどある日The Runawaysを聴いてたことを思い出して、「血を吐きたい。誰かの顏を嫌悪感で歪ませてやりたい」ってなった。それからキャラクターを作っていった。

Henri: もう一人の自分ってヤツだね。

Arrow: そう。まさに自分の分身。ステージからハケて20分経っても、まだ精神状態が行っちゃってるから。消えるのにはしばらくかかる。

そういうのに関して尊敬してる人はいるの?

Arrow: 間違いなくOzzy、Iggy Pop、あとAlice Cooper。ちびっ子版Alice Cooperみたいには見られたくないから、自分自身のものにしようとしてるけど、そういうアーティストからインスピレーションを得てるのは確か。

誰とでもコラボレーションできる機会があるとしたら、それは誰でその理由は?

Henri: Tom Waits。アルバムのサウンドが大好きだし、彼のドラム部屋の話を聞いてるからね。ギターはMarc Ribotっで…って完全に変わってるよね。曲はオーケストラみたいな感じでいきたいな。

Austin: Steve Albiniだね。繊細さがとってもいいよね。彼の作品は体系的で定型的でもあって、僕はかなりインスパイアされてる。

Arrow: Ozzy。80年代にOzzyがLita Fordとやった「Close My Eyes Forever」が好きだから、多分あんな感じのがやりたい。




音楽以外だとどんなことに興味があるの?

Henri: 雨降りとハイキングが好きだよ。住んでるのAltadenaだから、毎日ハイキングしてる。

Arrow: 雨キラ~い。

Austin: 僕はファインアートに興味がある。自分で作って鑑賞したりする。映画全般も好きだな。

Arrow: 自分もアート作品を作るのが好き。あとファッションにも興味ある。変わってる昔のコスチュームを探すのが好き。

Tim: 僕はビデオゲームが好き。

Arrow: Taco Bellもハズせない。

10 June 2017

Rough Tradeからデビュー曲「Ants」7インチ発売|LA発4人組バンド・Starcrawler(スタークローラー)インタビュー


紅一点のヴォーカル・Arrow de Wildeの存在を知ったのは、まだStarcrawler(スタークローラー)が話題になる前、彼女の母であるフォトグラファー・Autumn de Wildeインスタグラムがきっかけだった。現在人気急上昇中のブルックリン出身の兄弟バンドThe Lemon Twigsの弟Michael D'Addarioとタダならぬ雰囲気で2ショット写真に収まる手足の長いモデル体型女子、それがArrow de Wildeだった。

Arrow de WildeとMichaelの間には、特にロサンゼルスにおいていくつかの接点が見られる。Arrow de Wildeの母はLemon Twigsのアーティスト写真も手掛けているし、The Lemon TwigsのD'Addario兄弟はデビュー作「Do Hollywood」のレコーディングをロサンゼルスで行っている。また、StarcrawlerはLemon Twigsのサポートアクトを務めたこともある。バックグラウンドの似通った同い年の2人の間に何かあっても、まぁ不思議はないわけである。


右からAustin Smith(dr)、Arrow de Wilde(v)、Henri Cash(g)、Tim Franco(b)


・・・と(タダの友達かもしれないのに)思わせぶりなことを書いてしまった。そんなArrow嬢も2017年6月、無事高校を卒業。というわけで、ずっと翻訳したかったニューヨークのメディア「W Magazine」によるStarcrawlerインタビューをご覧ください。

【元ネタ英語記事】 Meet High School Rockers Stacrawler, Here to Prove Metal Isn't Dead(2017年5月5日付)

以下、当サイトによる和訳

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ロサンゼルスにあるライブハウス「The Echo(ザ・エコー)」での対バン企画が初ライブだった4人組バンド・Starcrawler(スタークローラー)が、初ライブ翌日から1年の時を経て、まさにその同じステージにヘッドライナーとして登場した。彼らにとって初のトリを務めるライブである。

それは2月26日のことだった。その翌日、バンドのフロントウーマンであるArrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)ギタリストHenri Cash(ヘンリ・キャッシュ)は、重い足取りで学校へと向かい、前夜からの疲労困憊のまま学業に戻るのだった。

「人が入ってたよな~」、ロサンゼルスからの電話越しにCashが話す。「前より稼げたよね」、de Wildeが口をはさむ。彼女とCash、そしてドラマーのAustin Smith(オースティン・スミス)は電話の向こうで大爆笑している。Starcrawlerが今の評判を築き上げたのは、The Echo(ザ・エコー)のステージである。そこはまた、木曜日 [訳者注: 2017年5月4日] 公開されたバンドのデビューシングル「Ants」のプロモーションビデオを撮影した場所でもある。


Starcrawler - Ants (Official Video)  


その動画の中でのde Wildeは、ステージ上に滑り落とされ、両腕は拘束衣でその自由が奪われている。マイクにうめき声をあげde Wildeは歌う:「蟻(アリ)なんていやしないのに身体を蟻が這う、蟻なんて来やしないのに身体を蟻が這う、椅子の上でも蟻が這う、乱暴者みたいに噛みついてくる」。

"I got ants when I don't, I got ants when I won't, I got ants on my chair, they bite like a bear."

公式リリースになったばかりであるものの、彼らはこの曲をほぼバンド結成時から演奏し続けている。「Ants」はStarcrawlerにとって初めての曲であり、またElton JohnがBeats 1 の自身のラジオ番組「Rocket Hour」で1曲目にかけた曲でもある。

「“目立つ”ってことの象徴みたいにステージで振る舞うのは好きだけど、単に蟻について歌ってるだけなんです」、笑いながらde Wildeは語った。「Ants」はCash宅で起きた蟻侵入事件 [訳者注: 別記事によると、バックパックにサンドイッチを入れっぱなしで週末放置していたのが原因らしい] ― かなり酷いもので、ある日学校に登校したCashは、先生にRAID [訳者注: 殺虫剤の商品名] をスプレーされた ― にインスパイアされた2分に満たない曲である。「Ants」は、まるで電気的な衝撃の如く、グロテスクなエッジの効いた70年代後期ヘアメタルのエネルギーを伝えてくる。動画の中で、ステージ上のde Wildeは衣服や下着を引き裂くのであるが、その衣服とは、医療機関のユニフォームである患者着であり、前述した拘束衣である場合も多い。彼女の口は血まみれであり、胸は赤色に汚されている。「退屈することにうんざりしてたんです」、自身のステージ衣装についてde Wildeはそう語った。



Starcrawlerは、メンバーそれぞれがこれまで受けてきた音楽的影響の集合体として、2015年夏、誕生した。De Wildeの母親は、フォトグラファーでありElliott SmithやRodarte [訳者注: ファッションブランド] を設立したMulleavy姉妹等ミュージシャンやデザイナーを題材としたドキュメンタリー作家でもあるAutumn de Wilde、父親は元Ariel Pink's Haunted GraffitiのドラマーAaron Sperskeである。彼女はThe BeatlesやCat Stevensといった古典的作品に加え、彼女曰く「その時ママが撮影してたバンドなら何でも」聴きながら成長した。「一番最初の音楽の記憶は、多分まだよちよち歩きの子供だった頃、膝の上に乗っけられて聴いたパパのドラムじゃないかな」と彼女は語る。彼女は中学生でOzzy OsbourneやBlack Sabbathと出逢い心を奪われた。CashはMuddy WatersやProfessor Longhairのようなブルーズを聴いて育ったが、後にAC/DCやThe Ramonesに転向している[訳者注: ちなみにCashも父親を含め親戚にミュージシャンが多いらしい]。


アメリカの人気子供音楽番組「Pancake Mountain」に出演したStarcrawler


「演奏方法に関して僕らが受けてきた影響は全く違うんだ」、Smithは語る。「だけど一緒に演ってみると結構近いものがあって、うまく調和する」。Smithとde WildeはStarcrawler結成以前から共にプレイし始めていたものの、ギタリストとベーシストを探していた。「ある日学校でHenriを見かけて、『君、カッコいいね。ギター弾く?』って声を掛けた。だってチューバのケースを運んでたから」、de Wildeは回想する。「彼、何か変に目立ってた思う」。ベーシストのTim Franco(ティム・フランコ)と彼女は元々知り合いで、その後すぐバンドに誘い入れた。初めてライブをやることになった時、ライブ直前にバンドの名前を考え出した。何だって良かったのだが、ポスターに載せるのに必要だったのである。

Starcrawlerは昨年末、de Wildeの母親の友人であるRyan Adamsとスタジオ入りし、デビューアルバムをアナログテープにレコーディングした。発売日はまだ仮決めであるものの、今月後半[訳者注: 2017年5月後半] 、Starcrawlerは英国で数日ライブをする為ツアーに出発し、再びカリフォルニアに戻る予定だ。その後、6月にはde Wildeの高校卒業も控えている(FrancoとSmithは既に卒業済み。Cashはde Wildeの1年後輩)。

では、アルバムはどうなる?

Cashは言う。「ロックンロールはまだ生きてるって確信する作品になるよ」。