25 November 2022

【祝来日×3】Starbenders(スターベンダーズ)in JAPAN |メンバーは日本をどう思っているのか?

In Kyoto | Japan Tour 2022 
 


3度目の来日で、弾丸ツアー前半戦を無事走り抜けたUS発「美し過ぎる☆グラムロックバンド」ことStarbenders(スターベンダーズ)。これまでキットカット抹茶味、富士山、新幹線、京都観光…と日本進出中の海外アーティスト初期の「お約束」を一通り体験した4人。そんな彼らのSNSをチェックするのは毎度とても楽しい。

ではメンバーの4人は「日本や日本のファンのことをどう思っているのか?」日本に関する小ネタを含め、スターベンダーズの過去記事&過去インタビュー動画から気になるこの点をキュレーションしてみた。

*All photo credit: B.I.J.Records


Video Shoot in Harajuku (Japan Debut Tour 2018)


まずは日本デビューツアー(2018年10月24日~)出発前のキミ・シェルター(Vo&G)のコメント:


キミ:バンドにとって海外ツアーの実現はずっと大きな夢だったし、中でも日本は最重要視してた。「Closer Than Most」っていう曲に「Tokyo in the fall(秋には東京で)」っていう歌詞があるんだけど、自分が未来を予言していたのかは分からない!メンバー全員、東京に行って東京を体験できるってことにとても興奮してる。 

Source: https://showsigoto.com/starbenders-interview/ (2018年10月5日)



Japan Debut Tour 2018 Flyer



その後、日本デビューツアー(2018年)を終えて帰国し、「日本はどんな感じだったのか、アメリカで演るのと何が違うのか」訊ねられたクリス・トカイ(G)とアーロン・レセイン(B)は次のように答えている。


クリス:日本は信じられないくらい素晴らしくて、観るもの体験するものがありまくりだった。文化もとても魅力的。東京は活気に溢れて賑わいがある素晴らしい街だった。日本でのライブは、アメリカではあまり見かけない音楽への尊敬や情熱が見てとれた。すごくポジティブでアーティスティックな環境だったよ。僕らのライブに来てくれた人は皆んな純粋に音楽やライブが好きで来てくれていた。本当に真剣に聞いてくれて、リアルで確かな何かを見て感じるためにそこにいる感じだった。

アーロン:アメリカだと音楽に対してちょっとシニカルになったり知ったかぶりしたりすることもあるよね。日本は音楽全般の価値を認めるってことに、もっと堂々としてる感じがする。そういう音楽熱があるのはすぐ分かるよ。街中にレコード屋があるし、トラックが側面にアーティストの画像が貼りつけて走ってたりするから。どこに行ってもデッカいLEDスクリーンでニューアルバムを宣伝してたりとかね。オーディエンスの音楽に対するアティチュードは全体的にとてもピュアで楽しんでるって印象を受けたな。

Source: https://www.audiofemme.com/playing-atlanta-starbenders-interview/ (2018年12月5日)


アーロン:僕らのバンドだけかもしれないけど、僕にとってスゴく印象的だったのは、日本人がどれだけピュアに音楽全般を愛してるかってこと。あれにはホント衝撃を受けた。アメリカだと、音楽に対してちょっとシニカルになったりもするよね。自分の左っ側の人が手拍子してなければ自分もしない…みたいな。日本だとそんなの全く気にしない。好きな曲が聞こえてくれば、人目なんて全然気にせずその世界に浸る。日本以外ではあんまり見かけないけど、そういう情熱的で堂々とした音楽愛があるんだ。日本版<JULIAN>リリース時の前回の日本ツアーでタワーレコードで歌ったりしたんだけど、アメリカにはもうタワーレコードだってないよね!僕的にそういうのは意味のあることで、日本でのアート全般に対するアティチュードを反映してると思う。

Source: https://wildspiritzmagazine.com/starbenders(2019年5月21日)



Final "Uchiage" Party in Harajuku (October 29, 2018)


また「今までで最も自慢できること&大変だったこと」について質問されたエミリー・ムーン(Dr)とクリス・トカイ(G)が挙げてくれたのは、なんと日本のこと!


エミリー:日本ツアーが一番自慢できることでもあり大変だったことじゃないかな。海を渡って14時間フライトして全く違うカルチャー(を持つ人達)に向けて音楽を演奏するのは、アワアワしたりもしたけど充実感があった。これから旅が始まる!なんて実感は空港に着くまであんまりなかった…って言えば、メンバー全員の気持ちを代弁出来てると思う。日本に着いてからは言葉の壁が大変だった。サウンドチェックの時のことはハッキリ覚えてる。箱(ハコ)専属のPAの人にこれっきゃ言えないの。「レッド・ツェッペリン!レッド・ツェッペリンみたいな音にして!」

クリス:日本でプレイするっていうのは、まさに夢が叶ったってことと同じだった。ライブでは素敵な人に何人も会えたし、素晴らしいアーティストと同じステージに立つことも出来た。ロックンロールがいかに万国共通であるかの証拠だよね。僕らの間には何千マイルもの距離があるのに、爆音のギターやドラムへの愛と情熱を感じるのは同じなんだから。素晴らしい経験だったよ。バンドにとって一番大変だったのは言葉の壁じゃないかな。あと馴染みのない習慣とか生活スタイルに慣れるのも。東京で時間が経つにつれ、だんだん周りの環境にも順応していろいろ覚えたし、おかげで僕らは日本のカルチャーに開眼したよ。

Source: https://www.audiofemme.com/playing-atlanta-starbenders-interview/ (2018年12月5日)



Japan Tour 2019 Flyer


さて、ここからはスターベンダーズが語った日本絡みのエピソードを紹介したいと思う。1つめは、ギタリストの「機材トラブルあるある」について質問されたキミ・シェルター(Vo&G)のコメントで、彼女が「センセイ」と日本語で呼ぶニコ・コンスタンチン(※スターベンダーズのMD。以前レディー・ガガの音楽ディレクター兼ギタリストも務めていた)に叱られた話(笑)


キミ:前に日本ツアーをした時、何も持ち込めなくて、エフェクターを含めギア一式全部レンタルしなきゃならなかったんだけど、Gipson Japan(ギブソン・ジャパン)が良いギターを貸してくれて、ライブハウスにあるアンプもMarshall(マーシャル)のシルバージュビリーとか超イケてたんです。トラブったりとかもなかったし。…で、最初のライブが数回終わったんだけど、バンドのプロデューサー兼マネージャーのセンセイ(※ニコ・コンスタンチンのこと)がギターのチューニングが合ってないってずっと言ってて。「君ら何かおかしいぞ!ライブの始めから終わりまでずっとチューニングが狂ってたの、分からないのか?!」的な感じで。で、ニコがギターとかいろいろいじくりまわしたんだけど、どこも変じゃないから、結局また自分達3人が責められ続けてた。時差ボケのせいでニコは喜怒哀楽が激しくなってたと思う。

とうとう自分はそれに耐えられなくなって「ねぇ、私たちバカじゃないよ、これには何か単純な原因があるはず」って心の中で思って、「誰かチューナーのセッティング、チェックしてたっけ?」って考えてみたら…。何とクリスとアーロンのチューナーはレギュラー設定なのに、自分がレンタルしたBOSS(ボス)のチューナーが半音下げにセットされてて、そのせいでずっと怒られっぱなしだったのが分かった。この話から得た教訓は、自分はバカじゃないと信じるなら細かい点までチェックせよってこと。

Source: https://v13.net/2020/03/geared-up-starbenders-kimi-shelter-discusses-her-les-paul-set-up-influential-guitarists-and-new-album-love-potion/ (2022年3月31日)


@Tower Records in Osaka (2019)


最後に、「ステージではよく冗談を言うか」と訊ねられたキミ・シェルター(Vo&G)が、笑いをこらえながら答えた2回目の日本ツアーでのエピソードを(リンク先動画9分20秒~)。

 

キミ:あの時のツアーは長丁場だったから、ちょっと小さめな街(※熊谷)にいた時の話なんだけど、メッシュのボディースーツを着てたんですよ。ちょっと裸に見えるんだけど、裸じゃないみたいな(※下の写真参照)。で、出番の前にチームの人に「I'm not naked(私は裸ではない)」って日本語でどういうのか訊いたんです。そしたら教えてくれて…何だっけ…「ワタシハハダカデハナイ」。で、ステージに上がってそれを言ってみたら(笑)観客の皆んなが…(笑)一瞬意味分かんない…みたいになって(笑)、自分はまた「ワタシハハダカデハナイ~!」って叫んだんです。そしたら皆んなが「イェ~~!!!」みたいになって。…まさかそんなこと言うとは思わなかった!みたいなことを日本語で言うだけで日本の人を笑わせられるってことよね。皆んな「やられた!」みたいになっちゃてたし。努力を重ねてそこの文化とかいろいろ楽しんじゃえば一瞬で壁はなくせるし…、まぁ前回のツアーはそんな風に進んでいったってわけ。

Source: https://www.youtube.com/watch?v=CyBbxABEDjw (2022年9月2日)



in Kumagaya (April 27, 2019) | "I'm not naked"



今ではステージを去る時、「Good NIght!」の代わりに「オヤスミナサイ!」と叫んでいるキミ・シェルター。今回の日本ツアーも残すところ後半戦あと5本。後悔しないよう、まだスターベンダーズを目撃していないなら、是非ライブハウスに足を運んでほしい(今ならまだ小さい箱(ハコ)で観れる!)。


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