12 June 2017

Starcrawler(スタークローラー)|LAのカルチャー誌ISSUEによるバンドメンバー全員へのインタビュー



【元ネタ英語記事】  http://issuemagazine.com/starcrawler/#/ (Issue Magazine 01-2017)

以下、当サイトによる翻訳

Starcrawler(スタークローラー)
 ロサンゼルスを拠点とし、メンバーはArrow de Wilde(17才・リードヴォーカル)、Henri Cash(16才・ギター)、Austin Smith(21才・ドラムス)、Tim Franco(19才・ベース)。現在、元WhiskeytownのRyan Adamsプロデュースによるファーストアルバムをレコーディング中。デビューシングル「Ants」は、AppleのBeats 1で初披露され、Elton Johnの番組「Rocket Hour」でかけられた。
Arrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)
Starcrawlerのリードシンガー。ロックフォトグラファーAutum de Wildeと Father John MistyのドラマーAaron Sperskeの娘。ロサンゼルス在住の高校3年生。

Arrow de WildeのTwitterプロファイルには「私は神。私は犬。@thestarcrawler の カルトメンバーでもある」と書かれている。ひたむきなまでにそのスタイル、パフォーマンス、そして創造力豊かな非日常的狂気を追求するこの17才は、ロサンゼルス拠点のバンドStarcrawlerのフロントを務めている。その赤く染まった口腔、大きく見開いた目、そして熱狂的なエネルギーにより、彼女は容赦なくライブハウスをパンクロック劇場に変えてしてしまう。高校を卒業したばかり(さもなければほぼ卒業しかけ)で、ライブ演奏の経験もまだ少なく、1枚のシングルしかないものの、Stercrawlerは既に我々の注目を欲しいままにしている。


 (左)ベーシストTim Franco(ティム・フランコ) (右)リードヴォーカルArrow de Wilde(アロウ・デ・ワイルド)


皆んな出身はどこなの?

Austin Smith(以下Austin): 全員LAが地元。

どうやって知り合ったの?

Arrow de Wilde(以下Arrow): Austinと自分が共通の友人を介して知り合って、ジャムセッションをするようになった。ある日学校でHenriが歩いてるのに気付いてカッコいいと思って近付いて…。アタシ何て言ったんだっけ、Henri?

Henri Cash(以下Henri): 学校のこんくらい狭い階段でケースに入ったチューバを運んでたんだ。そのケースにハンドルが付いてなくてさ、ヒドイよね。マジで持ち上げなきゃならないんだから。疲れたからケースを床に置いて休憩してたらArrowが近付いてきて、「キミ、ギター弾きそうに見えるんだけど」って言ったんだ。

Arrow: 「キミ、カッコいいじゃん」って言ったんだよ。

Henri: 「キミ、カッコいいじゃん」。

Arrow: 「ギター弾く?」

Henri: それが始まりだったんだ。
 
Arrow: チューバ吹けるんなら、ギターも弾けるだろって思って。あと、Timとはちょっと前から知り合いだった。

Austin: 共通の友人を介してTimにまた遭うまで、他のベーシストともやってたんだけどね。僕らはこうしてつながったんだ。

Henri: Timは陰の実力者さ。

皆んな一緒の学校に行ってるの?

Austin: 僕とArrowだけだよ。(※Henriの発言の間違い)

学校にはあと何年行かなきゃならないの?

Arrow: 今年で最後。Henriが最年少。

Henri: 僕はあと1年あるんだ。そのうち分かると思うけど、アルバムが出て来年ツアーに行く時が来たら、オンラインスクールにするつもり。

何年くらい一緒にプレイしてるの?

Arrow: 4年ちょっと。

Austin: 今みたいな形になるまでには何段階かあったんだ。僕とArrowは多分1年半かほぼ2年くらい一緒に演ってて、それからユニットとして全員一緒に演るまでに1年くらいかかった。

ライブするようになってからどのくらい経つの?

Henri: 一番最初のライブが1年前の2月、サンセットにある「Damn」って店。それ以外はただリハーサルと練習あるのみ。

Arrow: アタシ達って普通と逆のやり方だったよね。3ヶ月くらい曲を作って練習して、Steven McDonaldとデモテープをレコーディングして、それからライブをやり始めたっていう。

Austin: ライブデビューさえしてないのに「Ants」をレコーディングしたからね。



(左)ドラマーAustin Smith(オースティン・スミス) (右)ギタリストHenri Cash(ヘンリ・キャッシュ)


今のところ「Ants」が唯一の公式リリースなわけだけど、今後何を期待していいかな?

Austin: 今フルアルバムの制作中なんだ。これがちゃんと計算どおりリリースされるよう自分達の時間を使いたいと思ってる。多分、どこかのタイミングでシングルをもう1枚リースすることになると思うけど。でも今のところ、フルアルバムについてはゆっくり慎重に進めてる。

新曲は今もまだ作ってるの?

Austin: 新曲は常に作ってるよ。

大人になる過程でどんな影響を受けてきたの?

Arrow: 一番最初にハマったのはThe Beatlesで、すっごく好きだった。子供の頃聴きたかったのはとにかくThe Beatles。もうちょっと大きくなってから、Ozzy Osbourneのことがマジで好きになった。カトリックの女子校に通ってたから、あの頃Ozzyと出会ったのは大きかった。

Henri: 小2からずっとJack Whiteに夢中だった。フォンダ・シアターのJack Whiteのライブで最前列のセンターを取りたくて7時間待ったこともある。その後、Captain BeefheartとかFrank Zappaみたいな、より実験的なものにハマっていった。変わってるやつなら何でも好きなんだ。Morphineってバンドも大好きだよ。2弦ベースとかバリトンサックスとかマジでちっちゃいドラムを高音でプレイするバンドなんだ。

Austin: 僕のルーツはクラシックロックにある。子供だった頃はLed Zeppelinを聴いてたけど、ティーンになって音楽の趣味がメタルやハードコアパンクに変わっていった。Cro-MagsとかBad Brainsみたいなね。そこからガレージロックや、よりノイジーなエクスペリメンタルロックに傾倒していった。

Tim Franco(以下Tim): 子供の頃、僕の母親はBob Seger、Billy Joel、The Beatles、Scorpions、Led Zeppelinみたいな大御所をかけてたと思う。成長するにつれて、すっごくマイナーなものにハマっていって友達とバンドを始めたんだ。その友達のおかげでボサノヴァやジャズが好きになった。それからHarry NilssonやRandy Newmanにハマった。

Starcrawlerの音楽スタイルをどう説明する?

Henri: 今のところいろいろ全部のミックスだな。

Austin: 僕らとしては、皆んなにライブに来てもらって、僕らの音楽がどんな風なのか自分で判断してもらいたいって思うよ。他のバンドが「僕らってこうなんです」みたいに言ってるのを聞くと違和感を覚えるからね。僕らは自分達独自の影響を受けてるから、演奏には影響を受けたものがそのまま反映されてる。だからライブに来て自分で確かめてみてね!

歌詞を書いてるのは主に誰なの?

Arrow: Henriと自分がほとんどの歌詞を書いてる。

Henri: リフを作るのが得意なんだ。いつもギターを手放さないよ。だけどバンドって話になると、僕らはとってもうまくかみ合ってるよね。各プレーヤーが自分だけの特技を持ってるからね。誰が欠けてもStarcrawlerじゃなくなるだろうね。





まだ皆んな非常に若いわけだけど、これがやりたいことなのかな?

Henri: もちろんさ。

Arrow: バンド全員そうだよね。

Henri: 音楽を演ることって、自分達が(人生の)秘訣を知ってるってこととほぼ同じじゃないかなって思う。

Arrow: そうだよね。自分は常に音楽に傾倒してるような子供じゃなかったけど。父がドラマーで母がバンドの写真を撮影してたから常に周りに音楽はあったんだけど、音楽がやりたいかどうかハイスクールの1年生まで分からなかった。

Henri: 僕は家族が皆んなミュージシャンだから、ミュージシャンになりたいと思いながら育った。伯父さん達がロサンゼルスでプレイする、で、その次はConanのテレビショーやら何やらでプレイする…みたいなのを見てて、僕もやりたいなと。僕もジャンプしまくって伯父さん達みたいになりたいって思ってた。面白そうに見えた。

Austin: 僕は子供の頃からずっとドラムを叩いてきた。でもそれを職業にしようとは思ってなかったな。ドラムを叩いてるとただ幸せだったんだ。だから初めの頃、ドラムはアーティスティックな手段って感じだった。

Tim: 音楽をやり始めたのはここ3年くらいのことなんだ。それ以前はビデオゲーム以外何の興味もなかった。だから全部最近の話なんだけど、今は音楽のことをとても真面目に考えてるし、毎日新しいことを学んでる。

皆んなにとってパフォーマンスってどのくらい重要?

Henri: それが全てだよね。

Austin: 僕らは本当によく練習していて、自分達が理想とする形にライブを近付けるようにしてる。僕らはいい加減なバンドじゃないんだ。ライブ前はイントロが正しいか確認したり、曲終わりをどうすべきか決めたりしてる。

パフォーマンスの美意識みたいなことについてはどうなの?

Austin: 僕らはある種の空気感を創り出そうとしているから、美的なものが果たす役割はあると思う。ただ4人がステージに立たされてるだけみたいなパフォーマンスにはしたくないんだ。僕らに本物を感じてもらえるようなパフォーマンスがしたいと思ってる。

Arrow: バンドってだけの話じゃなくて、全部ひっくるめてだよね。ショーを観てるんだから。

Henri: 毎晩違うものになるしね。

Austin: かなり即興的なものだよね。

Arrow: だけど何をやるかについては計画しておく。

…っていうと?

Arrow: 昔の自分はシャイで、ここ数年くらい何が起こってるかよく分かってなかった。前に別のバンドをやってたんだけどうまくいかなかったし。その時もまだ自分はシャイで、ただステージにつっ立ってただけでつまらなかった。「何を怖がってるの?」って自分に問いかけてた。だけどある日The Runawaysを聴いてたことを思い出して、「血を吐きたい。誰かの顏を嫌悪感で歪ませてやりたい」ってなった。それからキャラクターを作っていった。

Henri: もう一人の自分ってヤツだね。

Arrow: そう。まさに自分の分身。ステージからハケて20分経っても、まだ精神状態が行っちゃってるから。消えるのにはしばらくかかる。

そういうのに関して尊敬してる人はいるの?

Arrow: 間違いなくOzzy、Iggy Pop、あとAlice Cooper。ちびっ子版Alice Cooperみたいには見られたくないから、自分自身のものにしようとしてるけど、そういうアーティストからインスピレーションを得てるのは確か。

誰とでもコラボレーションできる機会があるとしたら、それは誰でその理由は?

Henri: Tom Waits。アルバムのサウンドが大好きだし、彼のドラム部屋の話を聞いてるからね。ギターはMarc Ribotっで…って完全に変わってるよね。曲はオーケストラみたいな感じでいきたいな。

Austin: Steve Albiniだね。繊細さがとってもいいよね。彼の作品は体系的で定型的でもあって、僕はかなりインスパイアされてる。

Arrow: Ozzy。80年代にOzzyがLita Fordとやった「Close My Eyes Forever」が好きだから、多分あんな感じのがやりたい。




音楽以外だとどんなことに興味があるの?

Henri: 雨降りとハイキングが好きだよ。住んでるのAltadenaだから、毎日ハイキングしてる。

Arrow: 雨キラ~い。

Austin: 僕はファインアートに興味がある。自分で作って鑑賞したりする。映画全般も好きだな。

Arrow: 自分もアート作品を作るのが好き。あとファッションにも興味ある。変わってる昔のコスチュームを探すのが好き。

Tim: 僕はビデオゲームが好き。

Arrow: Taco Bellもハズせない。